「前作よりはおもしろい!」名探偵コナン ハロウィンの花嫁 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
前作よりはおもしろい!
昔から大好きなコナンですが、劇場版鑑賞は本作が2作目。前作「緋色の弾丸」は、ダイナミックなアクションに見応えは感じながらも、推理ものとしては微妙で少々物足りなさを感じました。しかし、本作はミステリー要素をきっちり盛り込み、なかなかおもしろい作品に仕上がっていました。
ストーリーは、プラーミャと呼ばれる爆弾魔を追う中で、公安の安室の同期4人が絡む過去の事件が関わるというもの。深く考えさせる隙を与えないぐらいテンポがよいので、多少のご都合主義があっても気にならず、謎解きもしっかり楽しめるのは好印象です。加えて、適度に織り交ぜられたスリリングがシーンのおかげで、最後まで楽しく鑑賞できます。
ただ、終盤はちょっといただけません。安室に活躍の場を与えたかったと思うのですが、渋谷の街に大惨事をもたらしかねない彼の行動は、どう考えても解せません。先の先まで読みつくすような安室が、あんな無茶な行動をとるでしょうか。また、プラーミャに仲間の影がないにも関わらず、道路が冠水する災害レベルの大規模な仕掛けをどうやって仕込んだのかも疑問です。スペクタクルを求めるあまりやりすぎてしまい、作品が大味な印象になってしまったの少々残念でした。肝心のプラーミャ自身についても、キャラとしての掘り下げが欲しかったです。あと、最後のコナン君の行動も謎です。かっこいいシーンを描きたかっただけじゃん!と思えてしまいました。まあ、エンドロール後のおまけシーンは、冒頭と対をなすシーンで、なくてもいいけど、これはこれでよしとします。
終盤に多少の不満はありますが、全体としては前作より確実におもしろく、ファンの期待に応える作品になっていると思います。おすすめです。