「小説向き」百花 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
小説向き
W主演のおふたり(菅田将暉と原田美枝子)の繊細な演技が光る。
病気を相談しようと電話してきた母の電話を仕事の忙しさにかまけて無視したことを悔いたり、恋に入れ上げ失踪した母が阪神淡路大震災で我に返ったりと、内面を丁寧に描くタイプの作品でした。
と同時に、役者の技量が問われる作りなわけですが、見事に表現は出来ていたと思います。
ただ、文芸的過ぎるというか、小説でこそ生きる内容であり、映像化はいかがなものか?というのが率直な感想。
さまざまな失敗やすれ違いは、当事者同士の赦しか、自分の中で消化するものであり、嘆きや戸惑いを見せるだけでは軽く感じてしまって、作品の中に入り込めなかったです。
映画にしたかったのは予告にもあった「半分の花火」のビジュアルを見せたかったのかなとは思うものの、想像の範囲内のことで感動ポイントにはなりえませんでした。
「惜しい」の一言。
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