「邦画界を牽引する東宝Pのアート作品」百花 トラヴィスさんの映画レビュー(感想・評価)
邦画界を牽引する東宝Pのアート作品
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東宝で大ヒットを連発している
川村元気プロデューサーが監督した作品は
意外にも?キャスティング以外は
商業臭が全くしませんでした。
力のある主演二人の芝居に加え
カットを割らない手法や
照明を感じさせない画作りに引き込まれるも
肝心の脚本にそこまで共感できず。
敢えて本作を邦画界を牽引する
東宝のプロデューサーが監督する真意は?
自分には解りませんが、
自分も含め解りやすい娯楽に慣れ
想像力や思考力が激しく衰え続ける中
この不親切さは、ある意味
観客を信じているとも感じました。
語り過ぎない本作には勝手に想像する余白が
多く残されているとも言えます。
(脳にタンパク質が溜まる等の
医学的な事実は一旦置いときますが)
例えば、原田美枝子演じる百合子の
若年性アルツハイマーの原因は
自分が犯してしまった息子への罪の意識から
自ら記憶に蓋をする為では…等。
そんな勝手な想像もさせてくれる懐の深さを
本作には感じました。
全ての人間が正しく生きられる訳ではないし
人にはどうしても忘れたい過去もあります。
都合の良過ぎる劇的なラストは
用意されていませんが
自分の記憶のように泉の記憶が
劇場を後にした今も脳裏に焼き付いています。
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