「夏休み子ども劇場…」ゴーストブック おばけずかん bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)
夏休み子ども劇場…
『ALWAYS三丁目の夕日』や『DIESTINY鎌倉ものがたり』の山崎貴監督がメガホンをとり、そのスタッフが集結した作品ということで、公開を楽しみにしていた。しかし、残念ながら小学生の夏休み課題図書のような、お楽しみ映画の範疇を超えることない内容に、正直ガッカリ…。初めから、そのつもりで観ればよかったのだろうが、『ALWAYS…』や『DISTENY…』が面白かっただけに、期待外れ度も大きい。
内容は、高学年の小学生が、ちょっと、背伸びをした思春期の淡い想いも乗せながら、苦難を乗り越えて、友達を助けようとする友情物語。そこに新垣結衣演じる担任女教師を加えて、お化けの世界観が広がる、パラドックスな世界を盛り込んだファンタジー作品として仕上げている。
事故に遭った、仲間のマドンナを助けたいという共通の願いを抱いた主人公の男子3人。彼らは、その願いを叶える為に、不思議な祠に願掛けする。その夜、それぞれの家にお化けが現れ、願いを叶えたければ、祠のあった場所に立つ古本屋に出向くように告げられるのだが、その古本屋こそが、お化けの世界への入り口だった。3人の男子と担任教師は、マドンナを助ける為に、お化けゲットの重要アイテム『ゴースト・ブック』を片手に、お化達に立ち向かう。
主人公もこうした物語には鉄板の3人。ちょっと気弱で、正義感は強い男子を中心に、斜に構えて、生意気な男子、ちょっとドン臭いけど、ここぞという時に勇気を奮う男子3人。そこに、愛らしいマドンナ役の女子に加えて、ちょっと頼りないけど、次第に、子供達との溝が埋まっていく若い教師というのは、正にアルアルの登場人物。
とまぁ、小学生が観れば、それなりに面白い内容なのだろうが、ストーリーにサプライズも無く、ほぼほぼ思っていた通り。山崎監督の期待していたVFXも、大したことなかった。それに、本来、魑魅魍魎が蠢くような不気味さを醸し出すはずの、古本屋や祠の背景に、建売住宅地が映っていたり、普通に車が行きかっていたりして、お化けをテーマにしているのに、百鬼夜行的な不気味なムードには程遠く、きめ細かな演出に欠けていたと感じた。
神木君の出番も最初と終わりにほんの少しだけだったし、久しぶりのガッキーの笑顔に、癒されたのは良かったかな(笑)