「可もなく不可もなく。音楽映画ならぬ「美術映画」?」フェルナンド・ボテロ 豊満な人生 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
可もなく不可もなく。音楽映画ならぬ「美術映画」?
今年124本目(合計398本目/今月(2022年5月度)1本目)。
さて、こちらの作品。大阪市ではシネリーブル梅田さんで観賞しました。
現在も生きている芸術家で、その生まれから現在(現在(2022年)も元気にいらっしゃるとのこと)までを描くドキュメンタリーです。映画館でやってれば映画でしょというのはそうですが、「どちらかというと」、市立美術館などで美術館などが15分とか20分で流している「画家紹介」などのDVDビデオ(事前にプログラム化されていて、ずっと流れ続ける)に近い作りです。
そのため、「映画館」でやっている「映画」の割にはびっくりしたり驚いたり笑ったりという要素はないも同然です(あるほうがおかしい)。
彼の生まれた「メデジン」(映画内でも明示される)は、知っておいたほうが良いかな…という印象です。コロンビア第二の都市で人口260万人ほど(2020年データ)そこそこ大きな都市です。ただ現在はそうであるだけで、彼の生まれた年(幼児期のころ)はもっと少なかったと思われます。
この映画はドキュメンタリー映画であり、「ミステリーもの」ではありませんが、彼がなぜに「ふくよかな絵」ばかりをようになったのか?という点については公式にもヒントがあります。メデジンで生まれ育った彼は中高時代に「闘牛」に興味を持っていたことがあるのですが、これに少し関係してきます(これが全てではない。詳細は本編参照)。
実質、映画の大半が「彼の生い立ちから今に至るまでのドキュメンタリー映画」という側面がありますので、あることないことレビューできませんし、「あること」であっても、書きすぎると著作権上好ましくない(映画館に行く意味を失ってしまう)点を考えると、どこまで書くか…というのが難しいです。
本映画が一般指定である(PG12以上でもない)ことも踏まえ、下記のように採点しました。
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(減点0.1)
史実通りに描写されますので、彼がアブグレイブ刑務所(収容所)の捕虜の取り扱いについて抗議し絵画を作り、ほぼ無償で美術館などに寄付したこと、それ自体は事実で、このことは映画内でも触れられます。
ただ、アメリカのアブグレイブ刑務所(収容所)の捕虜の扱いはグアンタナモ基地のそれと同じく人権意識が無茶苦茶であり、映画内でも「あることないこと書けない」ため、そのまま描かれています。そのため、一般指定(PG12以上ではない、ということ)で見に行くと、やや気分を害するかな…という部分が「一応」あります。
ただ、ボテロが「すき好んで」こういう絵を描いたのではないのは明らかだし、究極はアメリカの人権意識のなさ(への抗議)という部分につきることは映画内でも明確に述べられていますし、「やや配慮がないかな」という部分はありますが、「あることないこと描けない」「そもそも本人(ポテロ)の問題ではない」という点を考えると、引いても0.1ではないかという印象です。
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※(日本では)第二の都市と言われる大阪市と違い、東京都では今、ポテロ展というのをやっているとのことです(5/1時点)。大阪市も第二の都市なんですけどねぇ。