シラノのレビュー・感想・評価
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とうとう彼が主役を張る日が…
ピーター・ディンクレイジを初めて観たのはいつの何だったか?子供の体型に、童顔の反対は老け顔?悪人顔?のアンバランスさ(恐らくセクシーさ)が何とも言えない魅力を発している人。
シラノ・ド・ベルジュラックの話は有名だし、それ以外にも美女と野獣的な似た話は多いが、だからと言って観る価値が低いわけではない。ただし、セリフの間に歌が入り、踊りでなく歌メインのコテコテミュージカルの映画化。歌詞を字幕で理解しなければならないところがイマイチ入り込みにくい点かもしれないなー。
恋愛としては単純化すると三角関係な訳だが、厳密にはロクサーヌに求婚している権力者を入れると四角関係とも言え、時代背景もあって戦場の前線に行かされる。明日出征で明日死ぬかもしれない、という時、シラノは準備しておいた手紙をクリスチャンに渡す。いつもは中身を見ずにロクサーヌに渡していたクリスチャンだが、読みたいとシラノに頼み、読ませてもらうとインクが涙で滲んでいるのに気づき、そこで初めてシラノもロクサーヌを愛しているのだと気づく。自分とは全く違う外見の彼が、まさか自分と同じ思いを持っていたとは想像すらしなかった、というのが、悪気がないだけに何とも言えない。更に、出征を控える3人の兵士が、愛する人を思いながら別れを歌う。ウクライナに同じ思いを現実に持っている人が今いるのではと思うと、堪らなかった。
また、ぱっと見が素敵な男性クリスチャンの対称が中身が素敵なシラノである訳だが、要は豊かな表現で想いを伝えられる知性ということ。言葉というものの重みや重要性も描かれている。
2度目鑑賞。 楽曲、ロケーションが美しい
2度目の鑑賞。
水曜日夜7時の回、貸し切り。
ライティング(キャンドル、陽光、影)、歌、殺陣、衣装、舞う手紙、ダンス、奥行きのある構図(ダンスシーンだけでなくほとんどの場面で背景に人が動いている)、どれだけ時間をかけて撮影したんだろう。
丁寧に作られているから何度観ても飽きることがない。
初見の時は、ピーター・ディンクレイジの歌声に魅せられたけど、ヘイリー・ベネットの歌声もすごく良かった。
最後キスしない方がよかったと思ってたけど、途中、キスには特別な意味があったんだ。と気づいたらより感動。
狂おしいほどに人を愛することにみんなが飢えているからこそ、これほどまでに胸を打たれるんだろうな。
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ピーター・ディンクレイジの声、歌、殺陣、悲しみに魅せられる。
遅ればせながらゲーム・オブ・スローンズ見終わったばかりだったので余計に魅せられた。
字幕がちょっとと思うところがあったなぁ。
英語だったからかなぁ、少し違和感が。
ストーリーは古典だからあっと驚くようなことはないけれど、音楽が素晴らしく、ロケーションも美しい。
こういった古典のオーソドックスな映画化が定期的に制作されることを望みます。
昔観たジェラール・ドパルデュー版も良かったけれど、スティーブ・マーティンとダリル・ハンナの「ロクサーヌ」がおすすめです。
三船敏郎さんの時代劇もありましたね。
容姿
以外は完璧な男性であるシラノだけど、好きな人には告白できないまま、恋の仲立ちをする事になってしまう。彼女を思う気持ちが、反対の行動をするが、最後は・・。胸が熱くなります。
【”代筆の手紙に込めた秘めたる想い・・。”剣の腕に長け、詩人としても優れながらも、自分の容姿に自信の無い男の切ない恋を描いた作品。真の騎士とはシラノの様な男を言うのだろうなあ、と思った作品でもある。】
ー ラストのテロップでも流れるが、今作は1897年のフランスでの初演以来、100年以上も世界各国で上演されてきた「シラノ・ド・ベルジュラック」を底本として描いた作品である。
映画でも1900年!にコンスタン・コクランが演じたのを皮切りに、12本以上公開されているのである。
以上、「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」パンフレットより・・。-
◆感想
・シラノ・ド・ベルジュラックを演じた、ピーター・ディンクレイジのロクサーヌ(ヘイリー・ベネット)への恋心をグッと抑えつつ、ロクサーヌが一目ぼれした無学のクリスチャン(ケルヴィン・ハリソン・Jr)に対し、愛の言葉を教え、彼の代わりに手紙を書く姿が素晴しい。
- ピーター・ディンクレイジは小人症の特性を生かした名優であるが、ここにきて「パーフェクト・ケア」の恐ろしきビジネスマンをステップに今作で主役に抜擢である。
苦労人でもある彼自身の姿が、哀しみを背負いながらも愛する女性のために、同じ隊に配属された青年クリスチャンに成り代わり、手紙を書き、愛の言葉を教える姿に重なって見えてしまう。
クリスチャンが、ロクサーヌに凡庸な愛の言葉を告げてしまった後に、彼女の住まいの階下から、再びシラノの”指導”の下、愛の言葉を述べ、”キスに至る”シーン。
ここは、お笑い要素が入るシーンであるが、今作ではその要素を排除し、シラノの複雑な感情に焦点を当てている事が、成功していると思う。-
・ロクサーヌに恋する愚かしき大佐が、アッサリと振られ、腹いせにシラノとクリスチャンを戦地の最前線に送り込むシーン。
ロクサーヌとクリスチャンは、めでたく結婚するが直ぐに戦地へ。
命の危険がある中、シラノはクリスチャンとロクサーヌのために、恋文を只管に書く。
文字が涙で滲んでいる・・、と知ったクリスチャンがシラノの心に気付き、強引に戦地を突っ走り、銃弾に斃れるシーン。そして、シラノも又・・。
- ロクサーヌを演じたヘイリー・ベネットの美しさと、彼女の毅然とした決断に魅入られる。-
・数年が経ち、未亡人になったロクサーヌは、戦争で傷ついた戦士達を癒す修道院で過ごしていた。そこに現れた、傷が癒えないシラノ。
ロクサーヌから”クリスチャンから最後に届いた手紙”を渡され、読み始めるシラノ。次第に紙面から目を外し、諳んじるように言葉を繰り出すシラノの姿を見て、ロクサーヌは驚きと共に、真実を知る。
そして、”キスに至る”シーン。念願が叶ったシラノは静に息を引き取る。
- ここは、沁みたなあ・・。-
<一部、脚本が粗いシーンもあったが、全く気にならずに鑑賞した作品。真の騎士とは、シラノの様な男を言うのだろうなあ、と思った作品でもある。>
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