「言葉で解かれてゆく愛」シラノ kekeさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉で解かれてゆく愛
堅いことは抜きにして。
ロクサーヌよ、幼馴染というステータスはそこまでお主を鈍感にさせるか。
ただ一目惚れというのは相手がイケメンかどうかに関係ないと思っている。
シラノ:ロクサーヌを愛しているが、自身の容姿を気にして打ち明けられない
ロクサーヌ:シラノの幼馴染で、伯爵に求婚されている中クリスチャンに一目惚れする
クリスチャン:ロクサーヌに一目惚れした新米兵士
愛しているという結果を突きつけるだけでは伝わらず、逆に過程を伝えるだけでは気づいてもらえず。
解いた上で気づかせたことでシラノ、そしてクリスチャンも報われたのかなと思う。
クリスチャンだって愛する気持ちに偽りは無かったはずなのに、
「言葉」に出逢ったがゆえ遠回りをしてしまったのではないだろうか。
そしてシラノも、打ち明ける勇気が最終地点だと後押しされた。
登場人物すべてがそこにいなければ、愛はそれぞれの心の中に、幻想として埋もれていたままだろう。
各人のわがままさが露呈するが、それが恋の行方を追う糸となる。
今一度言葉の美しさを感じたければ是非。
コメントする