「宿命と救済の物語」アキラとあきら shitoさんの映画レビュー(感想・評価)
宿命と救済の物語
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書籍は読んでなくてドラマはアマプラで観ました。映画版の感想としてはかなり出来が良かったと思います。
観る前はドラマより短いし、2時間ちょっとじゃちょっと厳しいのでは?と思ってたけど、ドラマも観てから時間が経ってたのでうる覚えではあるものの、ちゃんとストーリーの流れもわかり、かつテーマが宿命と救済というはっきりしたテーマがあったので、ドラマよりも面白く、感動できた。
もちろんドラマを観ていたからこそ、細かい人物やストーリーの背景を補完できていての感想になるので、初見で観た人がどんな感想になるかは分からないですが…
これも主観ですが、女性が脚本を書いてるからか、意見や立場の違いはあっても、基本的な悪者はいなくて、そこがまた賛否分かれるところかな。個人的にはパンチはないがこれはこれでアリだと思いました。
一番印象に残ったのは、やはりあの土下座シーンでしょうね。謝罪や形だけの土下座ではなく、和解と救済の土下座であり、積年の親族間のわだかまりを解消し、また父親、そして叔父、弟など全ての人の想いを代弁し、これからの会社や一族が未来に向かうための前向きな儀式とも取れて、これまで見てきた土下座で一番美しかったと思います。
海堂あきらで言えば、なぜ東海郵船を継がなかったか、また銀行を諦めて東海郵船に戻る時の苦悩や決断がサラッと通っただけだったので、多少時間が伸びても、もう少し描かれてもよかった気もした。
そのほかには一癖も二癖もある配役の配置や銀行ならではの駆け引き、それぞれの信念とのぶつかり合いなど、見所ありすぎて、よくこれだけの時間にまとめたなぁと感心する限りです。
また機会があったら小説も読んでみたい。
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