「熱くなれる仕事がある幸せ」ハケンアニメ! 山川夏子さんの映画レビュー(感想・評価)
熱くなれる仕事がある幸せ
一つの目標に向かって、社員が一丸となって情熱をかけて不眠不休で頑張ってる会社って日本にまだあるのかな、もう絶滅したんじゃないだろうか……と最近ずっと思っていたのですが、そうか日本には「アニメ業界」という飛ぶ鳥を落とす勢いで成長している産業がありましたね。
アニメ産業は3兆円規模になっているという記事を読んだことがありますが、ビジネスとしてとらえたことがありませんでした。この映画は「アニメ会社」の中の話で、ビジネス的な側面とアニメつくりの側面の両方を垣間見ることができて、面白かったです。
主役の新人監督斉藤瞳さんを演じた吉岡里帆さんが好演していて、自然に彼女を応援したくなる作品でした。プロデューサー役の柄本祐さんの一見血の通わない対応がスパイスになって、大人がみても楽しめる作品になっていたと思います。
私は50代で、世代的に自分の子供が将来どんな職業につきたいか、夢を聞いて応援するか、見守るか(反対するか)する年代なので、もし自分の子供や甥や姪の世代の若者が「アニメ業界で働きたい」と言ってきたとしても、この映画でアニメ業界の皆さんの懸命な働きぶりを垣間見ることができたので、「いいよ頑張りなさい」と応援する側に回ろうと、密かに決意しました。
一生懸命夢中で頑張って休むのも忘れて「ちゃんと休みなさいよ」と言われるくらい、「夢中でやれることがある」ことはとても幸せなことだと思います。体を壊さないように、ちゃんと休みをとって、ワークライフバランスをとりながら、私生活も充実させていって、税金をたくさん払って、日本の国力をあげる。そういう形で国や世界に貢献していけば、国民の義務も果たしているわけすから、後ろ指をさされたり、バカにされることもありません。先のことは分からないけれども、アニメ業界で頑張る人を応援したいと思います。