「覇権という単語はアニオタには重い」ハケンアニメ! kame-pukupukuさんの映画レビュー(感想・評価)
覇権という単語はアニオタには重い
自宅で動画配信サービスを利用して視聴しました。
「アニメづくり」に焦点を当てた映像作品は数少ないと思いますが、アニオタだった自分としては、どうしてもSHIROBAKO(テレビアニメ)と比較してしまうところはあります。
25分×24話のテレビアニメ(かつアニメ制作者の実体験を映像化できるという強みがある)作品と比較してしまうのは筋違いとは思います。時間制限があり、なおかつ視聴者層が拡大する映画というジャンルで映像化するために、内容が一般化されているような気がして、残念ながらそれほど心に刺さるシーンはなかったように感じました。一般化されたことで、逆に、各キャラクターが抱く悩みや葛藤は、ゼロから物を生み出す人間に共通するものになっている、とも感じました。
些事ではあるのですが、若干違和感があったのは、覇権の基準が視聴率で語られていたことです。当時から基準は「円盤(DVD,BD)の販売枚数」又は「アマゾン等での円盤の販売予約数」だったと思います。(あくまでネット上では、なので、関係者からすると視聴率だったのかもしれませんが。)
ここまでいろいろ書いてしまいましたが、作品全体としては俳優さん達の演技も良く、本物の声優さんがたくさん登場していたり、劇中アニメにもこだわりが感じられる等、楽しく鑑賞することが出来ました。斎藤監督が少しずつ行城Pの手法に理解を示していく過程は見事でした。
タイトルにもなっている「覇権」という単語がアニメ業界で持て囃された時期にがっつりアニオタだった自分としては、「2022年にその単語を使われても・・・」感は否めなかったですし、そもそも「覇権アニメ」という単語自体に違和感があったため、放映当時、映画館では見ようと思わなかったんだよなぁ・・・という、自分語りです。