劇場公開日 2022年5月20日

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「何やら中途半端な映画だった。」ハケンアニメ! talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0何やら中途半端な映画だった。

2022年10月30日
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鑑賞方法:DVD/BD

結局のところ、斎藤瞳監督が、安定しているという公務員の職を投げ捨てて、アニメ界入りしたのは、なぜだったのでしょうか。
確かに、それらしいシーンは、ありました。「自分のような子供の心にも届くようなアニメを作りたい」と幼い頃に思ったと。
だったら、とうして王子監督と覇権を競う必要があるのでしょうか。

たとえ覇権を取れなかったとしても、自分で得心のいくようなアニメが作れれば、斎藤瞳監督としては、本望だったはずですから。
そして、子供の心に届くようなアニメを作りたくて斯界に飛び込んだのであれば、作品の構成としても、その思いを語る対話シーンなり、モノローグ的なシーンが、あっても然るべきだったのではないかと思います。そして、そこで、斎藤瞳監督がアニメにかける情熱が、ふんだんに語られたはずではないかと…。

そんなこんなで、評論子としては、いわゆる「お仕事映画」としてみても、本作は決して秀逸な出来とは言えないように思います。
(その実は、公務員の世界ではうだつが上がらないので、ひと山当てるために、畑違いのアニメ界に飛び込んだとみるのは、穿ち過ぎ?)
どうもに…あまりスッキリしない一本でした。観終って。評論子には。

<映画のことば>
「俺たちは監督のアタマの中を現実にするために、ここに来ている。」

「モノづくり」が重視されてきた今までは、デザインやサービス、アイディアは、いわゆるハコモノ(製品)の「おまけ」でしかなかったというのが現実だったと思います。
しかし、これからの日本は、世界的に優位のあるアニメなどの知的創造の産物を世界に売っていく「知財立国」を目指すということですが。
それならば、労働条件の面など、その製作現場を担う上記の「ことは」のような人材を大切にしないと成功は覚束ない…そう考えるのは、評論子だけではないと思います。

talkie