「クセ者プロデューサー行城(江本佑)のキャラは好き。」ハケンアニメ! a7aさんの映画レビュー(感想・評価)
クセ者プロデューサー行城(江本佑)のキャラは好き。
評判が良かったので見てきました。自分にはあまり刺さらなかったが、映画としては及第点なので3点献上。で、行城役の江本佑が良かったのでプラス0.5点で3.5点評価とさせていただきました。
損したとは思わないけど、映画館じゃなくてもいいかな。。。TVの映画番組で見るぐらいには面白いと言える作品。
映画の進行自体はお仕事映画としてベタな感じで上手くいかないプロジェクトをみんなで頑張る系。ある程度グッとくるシーンもアリ、良いセリフもあり、ところどころ関心させられた。ただ、「お仕事」としてはうーん?と思うシーンもありあまり乗れなかった。
以下ネタバレ含みます。
良かった所 と 感情移入できなかった所 と その他感想です。
良かったところ
「アニメには魔法がある(意訳)」のセリフは良かった。自分は常々映画(エンタメ)には「魔法」があると思っており、リアルに人生に影響を与えたり、慰めになったり、元気をもらったりできる。特に映画は影響されると劇場を出てからも良い余韻が残る。この信念にかけて作品を作るぞという意気込みを作品内に示してくれたのは良かった。これは私個人に刺さる言葉だった。
江本佑の役どころの行城が良いキャラだった。良い演技でしたハマリ役でしたね。これぐらいの誇張されたマンガ的キャラは好き。こんな奴はいねーよって感じだけど、最初から超有能プロデューサなんで、なぜこの新人監督は行城と敵対してるんだって思った。ここが不満点、感情移入できなかったことに繋がる。
感情移入できなかったところ
主人公の新人監督の仕事の進め方がなぁ。アニメはチーム戦でしょ?自分ひとりでは出来ないこと理解せずにいたのか?と。7年下積みしてりゃそのぐらい分かりそうなモノだと思うんだけどなぁ。リアルなアニメ制作においての監督の仕事がどんなものかわからんけど、わがまま言うのは売れてからにしろと。こういった心理で見てたので前半はちょっとイライラしてた。最後に現場に無理を言うのだがここが通ったのは現場との信頼関係を築けたからということで、その点に関しては納得がいった。ちゃんと描写されていたので。
あえて評価に考慮しなかった点
アニメ制作においてのリアル現場との対比だとか、各のキャラの誇張具合だとか、劇中アニメの評判の展開などは評価にいれなかった。色々思う所はあるしご都合主義だなぁと思うところもあるけど、そこは「そういうもの」としてとらえないと楽しめないですからね。ただしそこが上手く面白く仕上がっていればもっと良かったと思う。つまりここは「あえて目を瞑った所」です。あくまで「お仕事を題材としたエンタメ」としてとらえました。(この点に引っかかる人や低評価な人がいてもアニメ制作を題材としている以上、変ではないとも思う。)
その他
自分が年を取ったおっさんなので、悪役として出てきた行城(初期)とか王子のプロデューサの有科を責めるTV会社の偉いさんとかの方に感情移入してしまった。TV会社の偉いさんの手のひら返しとか、分かりやすい悪役・小物風なんだけど、この人らも「仕事」してるだけなんだよね。何億もかかってるプロジェクトの制作責任者がトンずらかましたらそりゃ怒るよ。上手くいってたら褒めるよ。有科さんもストレスの多い役どころだろうけど全部王子監督が悪い。ただ、売れっこなので我侭はゆるされる。それは過去の実績があるから。結局のところ真の悪役ってこの映画には出てこなかった。この点が映画のカタルシス的にはちょっと弱かったかと。
で、行城が最初から有能過ぎる。現実にいるこの手の人物(偉そうにしてる人)は現場を乱すだけ乱して責任取らない無能なんだよなぁ。はぁ、一緒に仕事したい。
おっしゃる点、多々心当たりありまくりです。私なんかは、悪役にもなれないほどの小物なので、〝なれない自分〟を見ることそのものが痛快さに感じられるのかなぁ、と思いました。
孤軍奮闘してる自分にとって、一番の敵だと思ってたら、じつは最強の味方❗️って柄本さん、ズルい😆
でもチーム戦ですから、リーダーの立場の人は、孤軍奮闘に追い込まれてる、のではなく、最終的に周りを動かすために演じている、くらいの強かさも見てみたい、というのもありですね。