「アニメファンではないが楽しめた!」ハケンアニメ! T Aさんの映画レビュー(感想・評価)
アニメファンではないが楽しめた!
久々に私の心に刺さる邦画でした。
ストーリー的には、苦悩→努力→苦悩→厳しいコーチが実は…→遂に開眼という少年漫画のスポ根を大人社会に置き換えたようなお話。
でも、少年漫画の野球みたいにド派手な盛り上がりシーンがあるわけじゃない。
しかし、それでも全く飽きることなく映画に釘付けになりましたね。むしろエンディングが流れた時は「え?もう2時間以上経っちゃったの?」という感じでした。
一つには、役者さんが皆さんいい味を出していたこと。美貌の吉岡里帆さんが良い意味で地味で目立たず、美人に感じられなかったほど、重責に苦悩する監督を演じきってました。チームをまとめる若い新人監督の辛さがひしひしと伝わってきたんですよね。一見華やかな「監督」という肩書きですが、チームをまとめて率いるのって大変なんだよね…「これで良かったのかな?チームのみんなはどう思ってるのかな?」って悩むよね…って、リーダーを経験したことのある人ならその苦悩する姿に誰もが思わず同情したくなるだろうというほどの「自信を持てず悩む地味な人物」を、あの華やかな美人の吉岡里帆さんが演じきってました。それだけに、チームの最後尾をとぼとぼと自信なさげに歩いてた斉藤瞳が、先頭を歩いてチームを率いる姿を見た時は感動的でしたね。描脇を固める中村倫也、柄本祐、尾野真千子はもちろん小野花梨や古舘寛治なども素晴らしかった。
さらに劇中アニメの質の高さ。アニメファンではない私が、何だかよくわからないアニメを見て引き込まれるような気持ちにさせられました。
また、2つのライバルアニメの視聴率競争を見事にビジュアル化した製作陣の腕もお見事でした。
終わり方も、素敵でしたね。
地味な吉岡里帆さんの姿を見てたら、「自分も仕事、頑張ろう!」って、思えました。