「吉岡里帆V字回復」ハケンアニメ! bionさんの映画レビュー(感想・評価)
吉岡里帆V字回復
めちゃくちゃ刺さった。王子監督の『リデルライト』の最終話で感動し、斎藤監督の『サウンドバック』の最終話でも体が熱くなり、本編のラストでは、完全に泣いてしまった。明日からどんどん人に勧めないと。
コミカル業界物だと思っていて、完全にノーマークだった。最初の5分で、お気楽鑑賞から座り直しての真剣鑑賞にギアチェンジ。アニメ制作現場をリアルな臨場感で見れて、ワクワク感が止まらない。絵コンテから始まり、下書き、作画、ラフな映像でのアフレコ。細部まで見落としてなるものかと、目をかっ開いて海馬に刷り込んだ。
とにかくエモい。作中アニメもそうだし、セリフがバンバン刺さる。王子監督がアニメから受けた影響を観客に叩きつけるように吐露するシーンがあるんだけど、これがすごいの。「童貞」という言葉を使って、自分の内面を素っ裸にさらけ出して訴えかけるから、この監督の作品を見てみたい衝動に駆られる。
監督をバックアップするプロデューサー役の柄本佑と尾野真千子がよかったよね。新人監督をサポートする行城は、とにかくクールで感情をあらわにしない。対して、有料は熱量と圧がすごい。王子監督へのパンチは助走付きのフルスイングでお見事。
吉岡里帆は、黒歴史となる作品に出演してしまう不運を持っているが、今回はお色気を封印して見事なV字回復。よかったね。
追記
原作も読みたくなり、早速購入。100ページあたりで王子監督の熱い独白を目にしてたまらず、予約をして2度目の鑑賞へGo
「最後のセリフはお任せします」斎藤監督が群野葵にクライマックスの演技を委ねたところでMAX感動。目をウルウルさせながら2作品の最終話を細部まで見ることができた。やはり届くラストだよな。
公開された瞬間、作品は受け手のものになる。この『ハケンアニメ!』を自分の宝物にします。
bionさん
私のレビューへのコメント、ありがとうございます。
この作品、題名の「ハケン」という部分でも、損をしている気がするのですよね。
どうしても、派遣社員をイメージしてしまう。
しかし、アニメーターは、フリーランスが多いと聞いているし、「派遣社員」なんているのかな、はて?となってしまうのではないでしょうか。
また、やはりアニメファンは、アニメ作品を観たいのであって、アニメファンは、この作品に興味を持てなかったのではないかと思います。
劇場公開は、もうすぐ終わるかもしれませんが、今後は、DVDの発売や、動画配信もあるので、ご指摘のとおり、「ショーシャンクの空」のように、遅咲きブレークしてほしい、と私も思っています。
レビューにも記載のとおり、原作の辻村深月は、デビュー当時から知っている作家で、馴染み深いので、私も、近いうちに原作小説を読んでみようかと思っています。
因みに、彼女は、国立大学を卒業し、作家になる前は、県庁そのものではないけれど、自治体をバックアップする団体の職員だったそうで、主人公の齋藤瞳には、作者の姿が投影されているような気がしています。
小説というアニメとは別の媒体ではありますが、「胸に突き刺さる」作品を作りたいという思いは同じでしょうから。
それでは、また、共感する作品があれば、コメントいただけると嬉しいです。
bionさん、解説ありがとうございました。吉岡里帆さんはホントに良かったです。こういう映画は元気をもらえますよね!っていうのは自分のレビューにも書こうと思っていたのに忘れてしまいました💦
もう読まれたんですね!しかも、公開3日目で2回目も...流石です。
より感動したんですか。私も読んで、また劇場に向かいたいと思います。確かにこの映画は、宝物ですね!
雑誌かなんかの写真撮影後、古舘&前野の2人を相手に演説した長回し場面が刺さりました。デビューからモノの違いを感じさせる人もいますが、吉岡里帆は「立場が人を成長させる」、ってのを証明してる、って思います。