劇場公開日 2022年7月1日

「設定通りの王道路線!わざわざ映画尺で観るようなものだろうか……」バズ・ライトイヤー バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0設定通りの王道路線!わざわざ映画尺で観るようなものだろうか……

2022年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

ピクサーとしては『ソウルフル・ワールド』以来、2年ぶりの劇場公開作品となった本作だが……これこそ配信作品でも良かった。

「トイ・ストーリー」シリーズに登場するバズは、映画のキャラクターという設定だっため、その映画が本作というメタ的な発想はおもしろいとは思うが、そもそも過去に『スペース・レンジャー バズ・ライトイヤー』というテレビシリーズ並びにOV作品の『スペース・レンジャーバズライトイヤー帝王ザーグを倒せ!』が制作されているだけに、わざわざ現代に映像化するほどのものか、またその意味があるのかが疑問でならなかった。

そして実際に観ても、その疑問は解消されなかった。

何かが飛びぬけているわけでもないし、「ここは見どころ!」といったようなアクション・シーンもほとんどなく、全体的に印象に残らない。

アンディ含め、アメリカの子どもたちが夢中になる映画という設定であるだけに、子ども向けの王道路線アクションであことは理解できるし、それを一周回ってネタとして楽しむというのも理解できる。

ただ……短編でよくないだろうか?

ひたすら王道のアクション・アニメを映画尺フルに使って見せられるというのも、なかなかキツイものがある。

何度も言うが、決して悪い作品ではない。だからこそ余計に特別感がないのだ。

これを劇場公開するぐらいなら、先日配信された『チップとデールの大作戦 レスキュー・レンジャーズ』を劇場公開した方がまだ良かったと思う。

何やら同性愛のシーンが問題視されているようだし、過去にも『美女と野獣』の同性愛を感じさせるシーンが議題に上がったりもしたが、同性愛を認めてない宗教が母体にあるモロッコみたいな国だと、上映ができなかったりするわけだから、世界的なビジネスとして見た場合は、そもそも同性愛要素を入れないで欲しいという意見も理解できる。

ディズニーは否定的だけど、ピクサーはオープン、マーベルも『エターナルズ』や『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』でもジェンダーレス要素を組み込むなど、同性愛のシーンの考え方が同じグループ内でも真っ二つに分かれている複雑な状況で、そのシーンを消さないことを主張していることが評価されて、作品自体の凡作感が薄れていることは、正直どうかと思う部分がある。

バフィー吉川(Buffys Movie)