劇場公開日 2022年8月6日

「ワンピースを超えて、映画の名作として楽しめる作品。」ONE PIECE FILM RED 現役美大生さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ワンピースを超えて、映画の名作として楽しめる作品。

2022年8月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

 まず自己紹介をしますと美大生で、作品作りに生かす為最近映画を見漁っています。最近の映画ではドライブマイカーが好きでした。率直な感想を言いますととても良かったです。
 低評価の多さに不安を感じる人がいると思うので、まず今作の映画を楽しむ条件を書きます。例えば生理って男の人はわかりませんよね?その苦しみを書く映画が例えばあった時、自分は経験がないからわからないという人と、他人の苦しみを想像して一緒に苦しめる人がいます。今回の映画は後者の人達の為の映画です。ルフィやシャンクスに自己を移入して俺つえー俺かっけえしたい人や、アメコミのようなひたすら刺激的な物ばかりを求める人、ハッピーエンドを見る事で自分が幸せな気持ちになりたいビターエンドアンチには向いていません。回れ右して味噌汁で一昨日顔を洗いましょう。
 次は魅力を話しましょうか。まずは心理描写の深さです。ウタちゃんの内面が歌や細かい描写で綿密に美しく描かれています。曲を聞き取る為に先に曲を聴いていくと理解が深まりますが、初見の感動もあるのでここは難しい所ですね。もっとちゃんとウタの内面を描けという人はアルバムを聴いて、それでもわからなかったら本棚の国語の教科書を読み直して通読してみましょう。
 そして音楽の音響です。映画でなければならぬ理由がここにあり、代え難い体験があります。通常スクリーンでヤバめなので、mx4dであればチョベリグでしょうね。
 そしてストーリー、非常に凝っていて良くできています。僕はリアリティより、その脚本が齎すものの大きさを求めるタイプなので、ウタという存在をここまで人の心に残る存在に上げた脚本家とおだっちを凄いと思います。ウタ急に劇場版でぽっと出てきたのに、エース並みの存在感を放ってるんですよ。オイオイヤベェぜ!ってなってしまいました。
 最後に。大学の授業でヴェニスの商人を鑑賞した時、教室では議論が鳴り止まなかった。いい芸術作品には何か言いたくて堪らなくなるような、人を動かす魔力があります。商人が可哀想で私はこの作品嫌い、とかそういう文句が言われたものです。チェーホフのかもめは開演当初の評判はひどかったのですが、今では名著として親しまれています。
 今回の映画はワンピースの「新時代」です。
日本の映画界においての新時代をも切り拓きました。結構口悪く書きましたが、是非!真偽の程は自分の目で確かめてくれ!!

現役美大生
現役美大生さんのコメント
2022年8月17日

返信を拝見していて、ストーリーの詰め込みすぎ。確かにそう感じる部分はあるのかなと思います。しかし、作り手側に立ってみるとある程度のワンピースファンへのファンサービスと、ウタの描写。無駄なように見えるシーンでも最後の感動の為の下準備(ローゴロゴロのとことかね)だったりするので、詰め込み過ぎはある程度仕方ないのかなって気もします。 ここで一番難しいのは、ミュージカル映画というのは曲に心を動かされる側面があります。つまり、曲を理解できた前提での間作りがなされていたりするのですが、初見だと歌詞もちゃんと聞き取れなかったりしますよね。現在アルバムが公開されているので、歌詞を確認して聞き取れるぐらいになってもう一度見に行くと、また違った感動があるかも。

現役美大生
海賊王さんのコメント
2022年8月13日

僕はあなたの味方側です !
レビューの内容も良いと思いました👍
他のコメントは無視していいと思います。どうしても噛みつきたいんです。

お気持ちお察しします。
ONE PIECE好きなんだよね、
だから守りたくって論述したんだよね、
正解だよ!
僕も面白かった!

海賊王
atuさんのコメント
2022年8月13日

「ルフィやシャンクスに自己を移入して俺つえー俺かっけえしたい人や、アメコミのようなひたすら刺激的な物ばかりを求める人、ハッピーエンドを見る事で自分が幸せな気持ちになりたいビターエンドアンチ」
今回の批評は多分そういう人たちのコメントはすくないですよ。
特にワンピースファンにとって、「他人の苦しみを想像して一緒に苦しめる」部分は本誌でもよく扱われる人気のスパイスとなっております。

好き嫌い、気を衒いが大きい音楽については一旦置いておいて、今回もっともファンが悔やんだ部分は「ストーリーが薄い」という部分でした。実際本当に薄かったかというと、そういうわけではなく「そう思われるような作り」にあると思います。
具体的に述べさせていただくと緩急の取り方と間の使い方にあると思います。いきなり現れいきなり闘い逃げた先で知らない人と出くわして追いつかれて戦って、、、と、とにかくシーンを詰め込み、1シーンを重く長く捉えることで感情移入をするタイプの人からするともう少し隙が欲しかったです。
例えがコアで伝わるかわからないですが青学の現代文のような、tiktokでひたすら流れる動画のような、退屈の間を埋めるスピード感が、従来の1口1口を味わいたいタイプのファンを置き去り人してしまったと捉えています。

atu
馬場さんさんのコメント
2022年8月13日

ワンピースとしての面白さを求める人よりも、Ado好きが見るべき映画ってことですね。

大変参考になり、この映画は見ないことを決めました。

馬場さん