ラスト・リミッツ 栄光なきアスリート

1998年製作/118分/アメリカ
原題または英題:Without Limits

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映画レビュー

3.0 原題は『Without Limits』こちらがこの映画の総て。

2026年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

単純

知的

邦題が映画の描こうとしたことと違う…。
『栄光なきアスリート』って、この方のどこが栄光がないのか?
 スティーブが活躍していた頃には、いくつもの記録を塗り替え、その中には、この映画が製作された頃でも、USAでまだ破られていない記録の保持者。
 そんな記録のことだけではなく、アマチュア選手たちを苦しめていたアマチュア運動連合(AAU)にも大きな足跡を残しており、その活動が後年、AAUの解体につながっている。それって、とてつもない栄光だと思うのだが。
 映画の脚色なのかもしれないが、その走りが、人々を巻き込み、鼓舞するさま。こんなにも愛されるアスリート。

実在のアスリートの伝記。
 ミュンヘンオリンピックにも参加しており、ちょっとだけ映画『ミュンヘン』で描かれた事件も出てくる。
 AAUの横暴もさわりだけ描かれている。
 映画の冒頭「USAで育ちながらも、家庭内でドイツ語が使われていた~」と説明されているので、そのことで大学等で迫害を受けるのかと思えば、幼少時はいじめにあっていた描写があるが、影響しない。ではミュンヘンオリンピックで?と思うが、そこにも何も描かれない。
 母との確執はほのめかすが、それも伏線回収はしない。

見事に、主人公・スティーブとコーチの関係に絞る。そこに、彼女との関係が色を添える。

 軍経験があり、かなりの激戦区から生還したコーチ・バウワーマン。勝つためには戦略が必要と説く。
 対して、常に全力疾走のスティーブ。戦略などチキンのすることと言い放つ。
 この水に油のような関係なのに、なぜか、スティーブはバウワーマンにコーチしてもらうことを望み、バウワーマンも見捨てない。そこをもうちょっと丁寧に描いてほしかった。

だが、この対比が、この映画で言いたいことに繋がっているのだろうと思う。

役者では、バウワーマンを演じられたサザーランド氏が良い。ゴールデングローブ賞の最優秀助演男優賞ノミネートもかくや。
 ミュンヘンでの出来事から、選手たちへの鼓舞の演説が良い。
 ラストの演説も良い。その後、視線だけでスティーブの存在を感じさせる。
 鬼コーチであるとともに、温かな包み込むような雰囲気もあり、とぼけた雰囲気も醸し出す。さりげなく、ご本人にも姿かたちが似ている。

スティーブを始めとするアスリートを演じた人々。
 演じていると知りながらも、本当のレースを見ているようで、すごい。

だが、全体的には抑揚なく進む。掘り下げて欲しいところも掘り下げない。
なので、ちょっと物足りない。

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とみいじょん