ベルファストのレビュー・感想・評価
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洗剤抱えてうるうるにやられた
最初、思ってたより曲がポップだなと思った。
しかし、見終わって全編に渡り曲の効果が素晴らしかったことに気がつく。
そして、どのシーンを切り取っても映像が完璧に美しい。
今の厳しい現実のモノクロの続く中、非現実のカラーが効果的。
お前が1人で育てた。
言い切ったね、父ちゃん。
ワンオペ育児よく頑張ってるね。そして美しいね、母ちゃん。
しっかり者の兄ちゃん頼もしいな。
じいちゃんが教えてくれた算数も面白素晴らしいな。
じいちゃんを看取って、ベルファストに残るばあちゃん切ないな。
母親に促され、洗剤を返しに行ったのに洗剤を抱えたまま戻ってきて。
洗剤を抱えてうるうるしてるバディの瞳にノックアウトされた。
憧れの少女に花束を渡して、あの子と結婚できるかバディに問われた父ちゃん、完璧な答えだ。
そうだよ、対立や抗争より、愛だよ、違う考え方への寛容さだよ本当に大切なことは。
両親のダンスのシーンを嬉しそうに見ているバディも微笑ましかった。
繰り返し観たい作品だ。
いきなりのタイタニック
バディの視界を再現するカメラワークとモノクロ映像で、主人公の追憶を体験する物語となっている。
バディは小学校低学年なので、カトリックと英国国教会の違いもよくわからない。カトリックは、懺悔さえすればなんでも許してもらえると誤解しているくらいだ。
イギリス帰属派による襲撃もテロ行為もモノクロであるがゆえにショッキングな映像を抑えることができているが、幼心に大きな傷をつけたのは間違いがない。爆発の炎だけに色がついていたのが、それを意味していると思う。
それまで友好的に暮らしていた住民が、反目を煽る民族派組織によって分断されていく様子が、今でも世界各地で起こっている分断を彷彿とさせる。祖父母との楽しいひとときも、同級生の女の子への淡い恋心もその分断によって強制終了させられてしまうが、父親がバディに言った言葉が心にささる。
この作品は好きというべき
ベルファスト出身のケネス・ブラナーが、子供のころに体験した北アイルランド紛争を振り返った自伝の映画化
切り取られた構図の鋭さと鮮やかな光と影
阿鼻叫喚の争乱すら美しい、好きな映画に挙げるのおすすめ
アカデミー脚本賞とったけど、シンプルでまっすぐな物語だし、むしろ撮影賞とかの方がしっくりくる感じはある
幼少時代の思い出って皆、色褪せた写真っぽいフワフワ感でお持ちだと思けど、その感覚が好きな人ならジーンとくる筈
そういえば、デジタルネイティブにはセピア色の概念ないかも、これ結構世代間ギャップとしてでかいよね多分
今、見るべき
故郷、の映画。
いま見るべきで評されるのも納得です。
生まれも育ちも日本で平和に生きていて、自分のアイデンティティについては狭い範囲でしか考えたことがないですが、少しだけ海外生活をした時に色々と思うことがあったのを思いだしました。
自分が何者か、分かっていれば大丈夫、外の世界は言葉が通じない?相手が聞いてないだけだよ、フェアであればどんな宗教でも関係ない、心を打つ言葉たちと映像、音楽の素晴らしさ、映画への愛を感じて、沢山の方に観てもらいたいなと思うような作品でした。
そこに愛があります
ラストにすべてが集約していく、しっかりとした映画。
映画がしっかりとして、構図も決まってるので、モノクロ映像も『奇をてらう』印象をうけません。
ちゃんとした意図があり演出をしてると思いました。
暴力的な時代の荒波に流されて行ってしまいますが、
何処にでもある家族の“愛”の話だと思います。
派手でないので、途中眠くなりましたが(寝不足で観に行ったため)、それはそれで有りだったんだと思っています。
主演のバディは、中にオッサンが入っているではないかと思う位いい味だしてますし、
お母さん綺麗で、じいちゃん、ばあちゃん、カッコよかったです。
役者のレベルの高さを感じずにはいられないですし、
それをうまくまとめ上げるケネス・ブラナーには圧巻です。
自分にとっては北アイルランドといえば『父の祈りを』でしたが、
今作品もそれに並ぶ作品だと思いました。
脚本だけじゃない
ベルファストの人達、紛争を丁寧に、短時間でまとめた素晴らしい作品でした。
話が暗くなりすぎず、ところどころ笑い?もあって、あっという間でした。
見てよかった。
最後の台詞というかモノローグというか、そこが個人的には刺さったな。
ある一家が引越しを決意して住み慣れた故郷を離れる物語です。
題のとおり、ある一家が故郷を離れる物語です。
故郷を捨てると書かないのは、主役の少年が思い焦がれる少女と将来の再会を約束しているから。
映画の中で、主人公の少年の無分別の行動が、燃え盛るカトリック・プロテスタント両過激派勢力間の抗争に油を注ぐのではないかとヒヤヒヤしました。
北アイルランドの長い紛争の歴史について高校世界史の知識以上のものを持たない自分にとって、映画の話は漠然と理解できても、物語の本質は理解できていないのだろうと思います。
原作は、監督の体験を基にしたものとのことですが、再会の約束が実現したかどうか気になるところです。
ケネスブラナーの故郷への愛と人々の温かさのつまった作品
バディの周りにいる人々が温かさに溢れていて、ほっこりする会話のシーンが多く、雰囲気がとても良かったです。
その雰囲気により、街が分断されていってもベルファストに残ろうとする人々の気持ちに見ている人が共感しやすくなっていたのだと思います。
カトリックとプロテスタントの対立が一つのテーマにあり人々の分断の様子に今の時代を風刺しているような感覚がしました。
モノクロ映像であることは、ケネスブラナーの昔を回想する感覚を見ている人にも味わってほしいという意味があるのかなと感じました。
ケネスブラナーの故郷に対する愛を感じながら笑って楽しめる素敵な作品です。
アイルランドの問題を子供の視線とウィットをまぶせて描く
カトリック・プロテスタント対立。
ニュースでは学んだが、どういうものか日本人はよく知らない人が多い。
子供の視線、アイルランド特有のウィットを交えて、良い作品である。
白黒であるところも、当時の雰囲気が感じられる。
封鎖された街で、明るく暮らす子供たち、住民の助け合い、悪い勧誘、地元愛。どれも今の自分に無いもので羨ましく思えた。
このご時世、見るべき映画だ。
しかし、子役の子がかわいい。
宗教ってほんと・・・
2022年劇場鑑賞85本目。
ケネス・ブラナーの幼少期の体験を元にベルファストという町で起きたプロテスタントのカトリック排斥運動を描いた作品。
主人公家族は差別する側のプロテスタントですが、正しく育った両親のおかげでそういった差別をする人を軽蔑し、手を貸さない姿勢を貫いています。
色々な差別がある中で、人を幸せにするためにある宗教のせいで人が傷つくのが一番愚かだと思っているのですが、それは世界でも数少ない無宗教派が多数の日本人だからこそ言えるのでしょうか。
この作品はモノクロで、劇中の映画や舞台だけカラーで描かれていて、眼鏡に映る舞台までもその眼鏡の部分だけカラーという凝りようなので、ここに何かしら意味があるはず。それは暗い現実から唯一離れられる天国のような場所であるのかなと思いましたが、裏テーマとしてテレビに映る映像はモノクロのままであったことから、今の配信サービス全盛の中、映画館や舞台に直接足を運ぶ素晴らしさを願ったのかなと思いました。これでこの作品がネトフリ限定配信だったら間違いなんでしょうが、ちゃんと映画館で上映してパンフレットも作られていますからね。
ジェットコースター
56本目。
小さい時に思った事はないけれど、子供時代って大人よりも、ジェットコースターの様な1日だったりするのかな。
まあ、どこで生まれ育ったと言うのもあるけど。
監督自身が残りの人生で、いい作品よりも悔いのない作品を作ったのかな。
なぜかわからないが涙がとまらなかった
何でだろう
とても素敵な映画だった
家族を守る父。亡くなった父と自分を思いだしながら泣けてきた
お母さんも。
故郷をでていくこと。
コーダももちろん良かったけど、作品賞、ベルファスト。
素晴らしい人生への讃歌
分断を目の当たりにした、ケネス・ブラナーの幼少期を描いた作品。
ブラナー自信はもちろん、キャストも北アイルランドに縁のある役者ばかり。音楽もヴァン・モリソン(ベルファスト出身)を起用するなど、本作にとてもこだわりを持って製作しているのがみて取れました。
そして主人公バディ役のジュード・ヒル、これが映画デビューだと言うから驚きです。
なんと自然で表情が豊かなのでしょうか?
モノクロで描かれた舞台は厳しい状況下なのですが、子どもの視点がベースなのでどこか気楽な空気で描かれ方です。
また時々差し込まれるカラーの演出も、その節目節目に彩りを添えるようで良かったですね。
そして皆悲しみに暮れてばかりじゃないのが実に嬉しい。
北アイルランド紛争その渦中にいながらも、バディやその家族達はどこか小さな幸せを持って生き生きとしてるように見えるんですよ。
皆、確かな絆や温もりを感じるんですね。
在りし日の故郷に想いを馳せた、素晴らしい人生への讃歌でした。
お父さんとお母さんかっこいい。近所でも評判のイケてる夫婦なのでは。...
お父さんとお母さんかっこいい。近所でも評判のイケてる夫婦なのでは。そうは描かれてないけど。
おじいちゃんとおばあちゃんもいい。祖父母に弱い。
新しい場所へ踏み出す人たちをそっと見守るような映画。誰だってなじんだ場所に留まりたいけど踏み出して広がる世界もあるんだ。
モノクロなはずなのに、色が見える
2022年劇場鑑賞22本目 佳作 53点
邦画オンリーなわたくしがとりわけ楽しみにしていた洋画作品
正直全然ハマらなかった、、
モノクロな絵や古いアイテムや街並みから漂う哀愁だったり、主にお爺さんのクスッと笑える洋画特有の台詞回しは秀逸でした。
米アカデミー賞でいったらドライブマイカーの方が上だし、それのまた数段上にコーダかなって感じでした。
フィクションの力、映画の力
コロナによるロックダウンが制作のきっかけだと、監督のインタビューに書かれていたが、ウクライナ侵攻によりこの作品がさらにタイムリーなものとなったように思う。
モノクロの映画だが、過去のこういった作品よりもシャープな絵の印象を受けた。画面が全体的に明るく見やすい。各所で指摘されている通りだが、やはり本作はこのモノクロとカラーの対比が秀逸だった。日常がモノクロで、舞台や映画、つまりフィクションの世界がカラーで表現されていることが特に印象的だ。主人公のバディにとって、心躍るフィクションの世界は色鮮やかなものであり、日常はテレビで見たモノクロの西部劇のように、どこかにいつも緊張が流れているのであろう。そう考えると、冒頭とエンディングで映される現代のベルファストの色鮮やかな街並みに、ケネス・ブラナーの想いを見た気がした。
この映画で描かれているのは「共に生きる」ということだ。1969年の北アイルランドでは、プロテスタントとカトリックが共に生きる道を見つけられず多くの犠牲を生んだ。父は家族が共に生きるために悩み、母は故郷と共に生きるために悩み、子どもは共に生きたいと願う少女がカトリックであることに悩む。彼らが悩んで出した答えが正解かはわからない。しかし50年経った今、北アイルランドの人々は武器を置き、共に生きる道を歩んでいるように思う。
過去は消せないし、分断は続いている。しかし、私たちは、皆が共に生きる世界を作らなくてはいけない。映画はフィクションだか、そこに現実を変える力があると私は信じている。この映画が多くの人の心に届くことを願ってやまない。
MUSIC VIDEO
様々なシーンを切り取った芸術的なモノクロの映像と印象的な楽曲。
これは映画?それとも写真集?思い出のアルバム?
あ、ミュージックビデオ!
これが一番しっくりくるなー。
何度もそんな感覚になりました。
生きてるだけで丸儲け?
アイルランドで、なぜ、ああいうことが起こったのか?
それを知らないと、本質的には理解できないんだろうな…と思った。
宗教だけが論争の種ではないように思う。
一方で、いわゆるイングランドとの関わりもあって、これもあまり理解ができておらず…。
ただ、いずれにしても、ある日突然、幸せな生活がなくなり、故郷を捨てざるを得ない状況になるほど困窮したことは事実で…。
今のウクライナとかも、ある意味で同じ状況なのかも知れない。この家族が新天地で幸せに暮らせることを願わざるをえないが、それでも生きてるだけでもましなのかも知れない。
全237件中、101~120件目を表示