「半世紀以上経った今も同じ。戦地を去る人、残る人、亡くなった全ての人に捧げられたフィルム」ベルファスト kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
半世紀以上経った今も同じ。戦地を去る人、残る人、亡くなった全ての人に捧げられたフィルム
あの、前歯に隙間のある少年、名優だった。演技力だけじゃない、時代の空気を纏った感じ。幼さと、その時代の大人たちを真似たようなジェントルマンが同居している。
全編セピアを思わせるモノクロ映像で、当時の劇場上映フィルムや一部の演出としてだけカラー映像が用いられていた。個人的には全編カラーで味わいたかったかな。街の風景、ファッション、インテリアなど。
祈りを象徴するようなサックス1本の音色が心地よかった。
宗教の違いだろうと、親ロシア・反ロシアの違いだろうと、平和に暮らしていた人々の生活基盤が突然破壊されるおそろしさ。今見るべき映画に仕上がっているのは何とも悲しく皮肉なことだ。
また、「環境にやさしい」は半世紀以上前からマーケティングの殺し文句だった滑稽さ。もちろんスパイスの効いた小道具としても「洗濯洗剤」はいい存在感出していた。
ケネス・ブラナー、歴史を見える化してくれてありがとう!!
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