「いきなりのタイタニック」ベルファスト bionさんの映画レビュー(感想・評価)
いきなりのタイタニック
バディの視界を再現するカメラワークとモノクロ映像で、主人公の追憶を体験する物語となっている。
バディは小学校低学年なので、カトリックと英国国教会の違いもよくわからない。カトリックは、懺悔さえすればなんでも許してもらえると誤解しているくらいだ。
イギリス帰属派による襲撃もテロ行為もモノクロであるがゆえにショッキングな映像を抑えることができているが、幼心に大きな傷をつけたのは間違いがない。爆発の炎だけに色がついていたのが、それを意味していると思う。
それまで友好的に暮らしていた住民が、反目を煽る民族派組織によって分断されていく様子が、今でも世界各地で起こっている分断を彷彿とさせる。祖父母との楽しいひとときも、同級生の女の子への淡い恋心もその分断によって強制終了させられてしまうが、父親がバディに言った言葉が心にささる。
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