「音楽がヴァン・モリソンと知って驚く」ベルファスト kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
音楽がヴァン・モリソンと知って驚く
北アイルランドの宗教対立ってなんとなく知ってはいるけど、それほど詳しくはない。U2の「Sunday Bloody Sunday」やIRAという組織のこと思い浮かべる、そんな程度。カトリックとプロテスタントの対立なんてあまり実感がわかないが、本作を観るとわかることもある。その対立が本当にくだらないことだと。
でも、昨日まで隣人だった家庭がある日を境に襲撃される家とされない家とに分断されてしまう。カトリックへの弾圧(もしくは弾圧への協力)を強制される姿は、昔の話とは思えない。本作はケネス・ブラナーの自伝的物語らしいので、そこらへんの大人のいざこざはあまり複雑に描かれていない。やはり少年バディの視点でとらえた近所の騒動という印象が強い。
思ったよりも淡々としていて、思ったよりもヒドい事件が起きないので、それほど心を揺さぶられなかったのが正直な感想。でも、雰囲気は好きだし、少年の成長物語として観るなら悪くない。
「Sunday Bloody Sunday」が歌うことになる「血の日曜日」事件が起こるのはこの3年後。そう考えると、そんなに楽観的に観ることもできない。
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