「私好みの世界観」ベルファスト あささんの映画レビュー(感想・評価)
私好みの世界観
冒頭のカラーの映像、心揺さぶられる音楽、そこからタイムスリップしたように一気にモノクロの世界へと移り変わる。舞台は1969年、北アイルランドベルファスト。
世界的に有名なケネス・ブラナーの生まれ育った街だが、プロテスタントの武装集団がカトリック住民を攻撃し、彼の家族はいつしか街を出て行かなくてはならなくなった。
顔見知りの街の住人たち、祖父母や両親、兄、そして初恋のキャサリン。
本作には彼の故郷や家族への愛が沢山詰まっている。
“人間は変化を嫌うもの、だけど時代は変わるもの”
モノクロの映像にはため息が出るほど。音楽、脚本、演出、演者などすべてにおいて素晴らしく、映画の素晴らしさが詰め込まれている。そして映像のどれを切り取っても美しく、いくつもの美しい絵をポスターにしたいほど。なんと言ってもバディ演じたジュード・ヒルの天真爛漫さと可愛さといったら!誰もが小さな俳優に虜になるはず。
ケネス・ブラナーの原点であり、彼のアイディンティティである本作、胸が高鳴り、映画の素晴らしさを教えてくれる。
私的、何度も見たい作品!
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NOBUさんのコメント
2022年3月29日
今晩は
今作は、故郷の大切さ。そして、世の趨勢によりそこを離れざるを得ない境遇になった少年の心持や、姿をキチンと描いた映画でしたね。
何処か、イタリア映画の”自転車泥棒”を思い出しました。
北アイルランドの当時の状況は、遅ればせながら好きなロックバンドの曲で知ったのですが、今作では生々しい状況描写が無くても、それを観る側に伝える抑制した表現方法が印象的でしたね。では、又。あ、返信不要です。