「不幸な宗教対立の裏にある、ベルファストという街の幸福感。」ベルファスト caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)
不幸な宗教対立の裏にある、ベルファストという街の幸福感。
やはり、この映画は、ケネス・ブラナーという監督が、ベルファストという街で暮らしていた時に抱いていた、幸福感を表現したということに尽きるのかもしれない。
北アイルランドで起こった、プロテスタントの武装集団による、カトリック教徒居住区への襲撃シーンから物語は始まる。
無邪気にベルファストの路上で遊ぶ少年バディの目の前に、突如として暴徒が姿を現す。
その日から、街にはバリケードが造られ、バディを取り巻く人々や、街の様相も様変わりしていく。
しかし、この映画は紛争の悲惨さを描くのではなく、ベルファストという街や、そこで暮らす人々の様子を、少年バディの視線でユーモラスに描いていく。
どんなことがあろうとも、ベルファストという街で暮らすことの幸福感が根底に流れている。
じいちゃん、ばあちゃん、母さん、父さん、そして、ベルファストの街が大好きだ!
素敵なユーモアと幸福感あふれる素晴らしい映画です!ぜひ劇場でご覧ください!!!
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Mさんのコメント
2023年4月9日
少年の視点。モノクロ。歴史の一部。
キュアロン監督の「ローマ」に通じるものがあるように思いました。「ベルファストという街で暮らすことの幸福感」。だから、この映画を見て、何か落ち着く感じがするのですね。