「ケネス・ブラナーの作品に驚きや新しさはないし、内輪受けの冗長な進行がやや退屈ではある。」ベルファスト jollyjokerさんの映画レビュー(感想・評価)
ケネス・ブラナーの作品に驚きや新しさはないし、内輪受けの冗長な進行がやや退屈ではある。
しかし、オープンニングのフルカラーからモノクロへの移行、その後のカメラ運びのいくつかのシーンでは面白いものがあった。
背景の人々がワサワサしていて画面を追いきれないとか、ラストのダンスシーン(それ自体はステキだったが)の必要性など疑問も多いが、キアラン・ハインズのセリフに印象的なものがいくつもあり、存在感を発揮していた。
宗教の対立は日本人には理解しがたい問題だが、家族の身の振り方という視点でとらえると、土地に根を下ろしたい安定志向の妻と新たな世界を開拓して家族と共にくらしたい夫との軋轢をもう少し丁寧に描いてもよかったのではないかとは感じた。
ベルファスト出身のヴァン・モリソンの乾いたあっけらかんとした声が全編に流れ、前向きな家族の結束をサポートした。
また、途中テレビに映るのは「リバティバランス」と「真昼の決闘」そんなお楽しみも。
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