「複雑な北アイルランド問題初期を映像化」ベルファスト 死亡遊戯さんの映画レビュー(感想・評価)
複雑な北アイルランド問題初期を映像化
アイルランドとイギリス間で長年くすぶっていた、アイルランド島北部に位置する北アイルランド問題は1998年に「イギリス領ではあるけど諸問題は南北のアイルランド島民自身が解決」という解決したのかしてないのかよく判らん一応の決着をしてはいるものの、近年もイギリスのEU離脱をよしとしない勢力が暴動を起こしたりとややこしい地域だが、そんな北アイルランド問題のキッカケとも言える、1960年代後半のベルファストで起きた、プロテスタント派によるカトリック派への暴動、暴行、焼き討ちを少年期に体験したケネス・ブラナー監督の実話。
オウム級のカルト教団でもあるまいし何故同じ宗教の宗派が違うだけでそこまでする必要あるの!?と聞きたいけど、考えてみりゃ同じイギリス同じイングランド同じロンドン、だけど別チームファンってだけで暴動暴行が起き他人を死に至らしめたりもする訳だから、日本人の自分にしてみりゃ何とも理解し難い。
だからサッカーとラグビーの連盟大会に関しては「発祥国特典」としてイギリスは4つの代表チームを持つことが許されているのだろうし(イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)、そもそも我が日本が「イギリス」or「英国」と呼ぶ国の正式名も『グレートブリテイン島および北アイルランド連合王国』と長々ったらしいのが既に面倒くさい国民性を表している。
そんな面倒くさい国民性の極々一部を垣間見る映画。
カラーが当たり前の現在におけるモノクロ映像としては「海と毒薬」(1986年)以来本当に久しぶりに意味のある素晴らしい映像だったと思う!(爆発までは勝手にカラーだと脳内変換されていて「いつからモノクロに!?」と戸惑った…😅)