劇場公開日 2022年3月25日

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「全体的に薄いケネスブラナー調ではあった」ベルファスト ONIさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0全体的に薄いケネスブラナー調ではあった

2022年3月27日
iPhoneアプリから投稿

ケネスブラナーは本当に相性が悪いというか、今まで一度も作品を面白いと思ったことがなくて、でも個人のパーソナルな映画で白黒で臨んでいるのならと思ったけどそんなことはなかった(笑)。やっぱりケネスブラナーはケネスブラナーで映画の人ではない気がしている。
もちろん60年代のイギリスの社会問題、宗教的対立などよくわかってない。けれどキュアロン『ROMA』がそんなの関係なく圧倒的に映画だったのに比べると、ケネスブラナー的軽さに止まっている。ジュディデンチの表情一発の強さと、終盤のダンスシークエンスの喧嘩ばかりだった両親の「若き日はきっとこんなだったんだろうな」という踊りの軽さはピタッとはまっていいのだけど、それ以外のエピソードも出てくる映画までもが軽い。薄い。こんなに薄い挿入映画があっただろうかというくらい活かされてない統一された薄さ。
観る前の想像が上回ってしまってたのかもしれない。短い時間に集約させてたのは良かったと思う。フェリーニの『アマルコルド』はじめ、台湾映画のこういった題材に比べても、実際に出来事でなくて、そこから結局個人の映画表現が全開になるかどうかなので過度の期待だったのかも。

ONI