ムクウェゲ 「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師のレビュー・感想・評価
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Don't Anticipate a Happy Exit
Mukwege is a documentary of an African doctor who treats women raped by Congolese rebels. The film interviews past perpetrators, many of whom were child soldiers and now carry on ordinary lives. Obviously it's difficult to watch but it's a must-see. It's a pretty in-depth production for Japanese documentary standards. Perhaps not the most theatrical of films, it's more bold than anything on TV.
根底にあるのは
国家の弱体と女性蔑視?
武装勢力の脅威にも関わらず、とても働き者で芯が強いコンゴの女性達 アフリカ大陸は資源が豊富なことやルワンダ虐殺については知っていたのですが、そんな危険な場所であっても住居や人も密集した国の様子 本来ならとても豊かな国のはずがなぜか貧困が蔓延 先進国は自分たちの生活が如何に犠牲を払って成り立っているのか一度立ち止まって考えてみるべきだと思いました。スマホがひいてはコンゴの女性達に危害を及ぼしているとは! しかし情けないですがリサイクル、なるべく買い換えない位しか出来ることが無い レアメタル代替開発は進んでないんでしょうか?
日本にも縁のある方で、好きな言葉が、ありがとうなんてありきたりでなく「利他」っていうのも深い コンゴの女性達の為にもご無事を願うしかない
【”利他の大切さ””愚かしき武装勢力の男達は、どれだけ非人道的行為を行うのか!”コンゴ東部の都市で、命を懸けて心身共に傷ついた女性達を救う崇高な医師の姿を追ったドキュメンタリー作品。】
ー 今後民主共和国東部の都市、ブカブでは今でも年間2500~3000人の女性が100を超える武装勢力にレイプされ、心身に深い傷を負っている。生後半年の赤子が含まれていると伝えられた時には、耳を疑った。-
◆感想
・ブカブは隣国、ウガンダ、ルワンダと近接しており、更にスマートフォン、やパソコンに欠かせないレアメタルを始め、鉱物が豊富な土地である事。
それ故に、隣国からも武装勢力が国境を越えて侵入してきて、コンゴ人民を虐殺したり、”自分達の力を誇示するために”女性を年齢問わずにレイプしているという実態。
- 恐怖による、支配を図る武装勢力。それに対し、コンゴの司法機関は腐敗し、法治国家としての機能を果たしていない事が、描かれる。
懲役5年でも、刑務所長に賄賂を贈れば、4カ月で刑務所から出てくる”不処罰”の文化が生み出す負の連鎖。-
・その状況に対し20年以上も、傷ついた女性を保護し、長い時間を掛けてケアをするムクゥエゲ医師の姿。彼の家の周囲には国連兵士が24H、警備を行っている。過去に暗殺未遂事件に会ったからだ。
- それでも、彼は屈せずに日本を含めた世界を飛び回り、コンゴの窮状を訴える。
・”皆が使っているスマートフォンは、コンゴ人の血に塗れている。”
・”知っているのに、知らない振りをするのは同罪である。” -
・劇中、元、武装勢力に所属していた20代の穏やかそうな男性が登場するシーンも印象的だ。武装勢力に家族を殺され、母や姉がレイプされ自分は強制的に武装勢力に連行され・・、いつの間にかドラッグを服用しながら、レイプする側に回っている。
- 正に負の連鎖である。-
<大変、重く見ていて苦しい気持ちになるドキュメンタリー作品であるが、一人の崇高な医師の姿が印象的である。
ムクゥエゲ医師は、日本を訪れ、元安倍首相とも会ったそうだが、日本はキチンとした支援をしているのであろうか・・。
広島に落とされた核爆弾のウランが、コンゴ産だったという話も、切ない。
法治国家として、キチンとコンゴ行政府が機能していれば、あんなに貧しい国ではなく、レアメタルを始めとした貴重な天然資源により、富める国になっていたであろうに・・。
今作は、大きな問題提起を観る側に投げつけてくる作品である。>
悲惨すぎる負のサイクルはどうしたら終わるのだろうか……
『三島由紀夫VS東大全共闘 〜50年目の真実〜』『米軍アメリカが最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯』などと同じく、TBS制作のドキュメンタリー映画。東海テレビ制作のドキュメンタリーと並んで社会派な作品も多い一方、アーティストのバックステージものなどかなりバラエテイにとんでいて、楽しみな日本のドキュメンタリー・ブランドのひとつだ。
2021年のTBSドキュメンタリー映画祭にて上映された『ムクウェゲ 「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師』が、ついに一般劇場でも公開されることになった。
2018年にノーベル賞平和賞を受賞した、デニ・ムクウェゲが、コンゴ民主共和国にとって、いかに必要な医師であるか……という話から、コンゴという国が抱えている大きな闇、そしてそれは日本も少なからず関係してするという事実にも迫っていく。
ムクウェゲ医師の病院には、年間で2500~3000人の女性が運びこまれる。命が助かる者もいれば、手の施しようのないほど損傷が激しく、そのまま亡くなる者も多い。
何故、こんな状況になってしまったのだというか……
コンゴという国は、40万人もの武装勢力があふれかえっている。これは『ホテル・ルワンダ』などの映画やドラマでも題材にされてきた、ルワンダの大虐殺によって、難民がコンゴに流れこんだことで、治安が極端に悪くなってしまったことが原因ともされている。
武装勢力は、コンゴに住む女性たちをレイプしては虐待、酷い場合は殺害もしてしまう。その手は、幼い8歳の少女にも及ぶという異常な治安の悪さだ。
武装勢力にとって、女性をレイプすることは、性のはけ口というわけではなく、それによってトラウマや恐怖を植え付け、精神的に支配することが目的である。それを行っている男性も、逆らえば上官に虐待や処刑されることもあって、嫌々でもしなければならないという。
隙を見て逃げ出した兵士のインタビューから感じたのは、誰もが恐怖によって支配されている現状だ。その虐待をする上官も、もともとは、そうやって叩き込まれてきたのだ。ミルグラム効果による、悲惨すぎる負のサイクルは、どうしたら止まるのだろうか……
国の政権自体もほとんど機能していない、無法地帯。
日本が無関係だと言えない理由は、パソコンやスマートフォンに使われるパーツの原料がコンゴでとれることで、そこに集まってくるから治安悪化が進んでいるからだという。これに関しては、ミネラルウォーターやダイヤモンド、動物毛・革製品など、様々なものに言えてしまうことでもあるため、極論すぎるようにも感じられるが、他人事ではないという意識は誰もが持つべきものだと痛感させられる。
原因が人間なら、きっと無くならないのだろう
TVのドキュメンタリー番組的な作りだよなぁ、映画にしなくても・・・とは思いましたが、この目を背けたくなるような現実をTVで放送するのは無理だと思いました。淡々と語られる尋常じゃないコンゴの現実、ムクウェゲ医師が語る異常なレイプ被害の現実。どうしてこんな酷いことをしようと思う生き物がいるのでしょう。あぁ、愚かだ。なんて愚かなんでしょうね、人間は。いつも思います。人間って欲望があると地球上で最悪の獣になれるんだと。
ムクウェゲ医師の存在も、コンゴの現実も本作で初めて知りました。何度かマスコミには取り上げられていらっしゃるのでしょうが存じ上げませんでした。そして、コンゴと日本の関係性ももちろん。
どれだけ我々が国外で祈っても頑張ってもコンゴの悲しみが癒えることはないと思うし、劇的に改善することはないのでしょう。国家自体が自浄することができなければ、強者の顔がすげ変わるだけのような気がします。しかし、今使っているスマホが完全に壊れるまで機種変更は見送ろうと決めました。それしかできることがないのです。知ること以外は。
果たしてコンゴに自浄はできるのだろうか?元武装勢力に属し、200人以上をレイプをした男性のインタビューが流れますが驚愕しました。選択しようが無かったという事情はわかりますが、被害者への謝罪の意が全く語られず、罪の意識が全くないように見えるのです。この人たちは<自分の事しか考えていない><自分がされて嫌なことをしたという意識がない>という道徳的、人道的に根本的な違和感を感じました。その違和感こそが元凶なのではなかろうか?
【他人のことを自分のことのように考えられない】、、、という決定的欠落があるような気がします。
だからこそ、ムクウェゲ医師は「利他」が大事、それが救うと言ったのではないだろうか?まだまだ闇は続きそうで嫌になる。
日本への問い
鉱山の独占と村人の支配のために、武装勢力(テロリスト)たちが老若男女問わずレイプ・暴力・見せしめの殺人を行っているコンゴのえげつなさを、そこで治療にあたる医師・ムクウェゲ氏を通してとくとくと説明するドキュメンタリー。
鉱山は黄金や、スマホに使われる錫やレアメタルの採掘場であり、モノによっては日本がその輸出のかなりの割合を占めていると。
日本も加害者側として加担しているのではないのかという問いに満ちていて、なかなか考えさせられます。
ところで、良質なドキュメンタリー制作では、NHK、TBS・系列(富山チューリップテレビ)、フジテレビ・系列(東海テレビ)などが良質な作品を送り出している印象。
ゆえに、いつ作ってくれるのか?
『1968 TBS報道班が成田闘争の中核派系過激派の支援の背景』
『1989〜90 TBS オウム真理教の坂本弁護士一家殺害幇助 の実態』
『1995阪神大震災「温泉街」発言 事件』
『NEWS23 捏造報道』
などの作品をずっと私は待ってるんですよ、TBSさん!
安全な出産を目指していたのに
最初に来た患者は、レイプ被害者だった。
医師、医療従事者が患者を尊重して、自分の知識や技術、人間性を使っていく。そんなとても大切なことを改めて考えさせられた。
レイプ被害の非対称性ー男は腕力があり、妊娠せず、加害を仕方なかったで済ますことができる。女性は力では男性に劣り、痛めつけられ、血を流し、妊娠し、被害を責められ、汚れたものと言われる。
だから性暴力はコミュニティを分断させ、無力にし、仕返しをされない。武器による支配よりも安くつくのかもしれない。罰せられない場合には特に。
性暴力にノーを突きつけるのは、警察や司法だけでなく、社会なのだと思う。
この映画でも、ある被害者は顔出しできずにいるのに、加害者は家族も含めて顔出ししている。キツかった。
男性も女性も、被害者もそうでない人も、性暴力にノーを言える、加害者や加害を指示した人は責任を取り罰せられる、被害者が保護され人権が守られる、こんなことが世界中で当たり前でありますように。
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