劇場公開日 2022年7月15日

「ガムを噛んで、普通の木曜日…」グレイマン bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 ガムを噛んで、普通の木曜日…

2025年10月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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ドキドキ

Netflixが仕掛けた、工作員同士が激しく激突するスパイ・アクション大作。次々と迫り来る危機を、命がけで乗り越えていく主人公の姿に、『ボーン・シリーズ』や『ミッション・インポッシブル・シリーズ』にも引けを取らない、面白さを感じた。またそのロケ地も、アメリカから始まり、フランス、タイ、アゼルバイジャン、クロアチア、オーストラリア、そしてチェコと7か国に渡り、2億ドルの製作費をかけた製作陣の本気度も覗える。

その主人公の工作員・シックスを演じたのが、ハリウッド・トップスターのライアン・ゴズリン。その最大の敵となるのが、『キャプテン・アメリカ』では正統派ヒーローを演じたが、今回はそれとは正反対の、劣悪非道でサイコパスなマッチョ工作員・ロイドを演じたクリス・エバンス。この2大スターのアクション共演というだけでも、観る価値あり。

父親殺しの罪人で服役していたシックスのもとに、その殺人の手腕を買われ、CIAの極秘工作員の仕事が舞い込む。その仕事を承諾し、暗殺者として生きることになったシックス。その18年後、シックスのターゲットとなって暗殺された男は、最後にCIA本部長の不正を暴くデーターをシックスに託す。そこから、シックスの運命は暗転する。本部長は、そのデーターの流出を防ぐ為に、極悪非道の工作員ロイドを送り込み、シックスは追われる身となる。

シックスは、かつての上司だったドナルドを頼りに、ロイドの追跡を躱そうとするが、ロイドはドナルドの姪のクレアを誘拐し、ドナルドまでも拉致してしまう。ロイドは、あらゆる手を使って、シックスを追い詰め、データーを取り戻そうとする中、ロイドを憎む工作員ミランダの助けを得て、反撃に出る展開。

本作は、何と言っても、激しいアクション・シーンが見どころ。輸送機内での激しいバトルの末に、輸送機を爆発炎上させてしまい、そしてその輸送機からの脱出劇は、際どいシーンの連続。後半の世界遺産の街・プラハでのカー・アクションも、いろいろ制約はあっただろうが、爆破や激突、破壊の連続で、そんな制約は微塵も感じさせないアクション・シーンの連続。プラハの街を走る路面電車は、電車ではスピードが出ないため、バスを改良した電車を作って、スピード感のある映像を撮ったと言うほどの入り込み具合。

更に、本作を撮影するに当たり、ライアン・ゴズリン自身も優秀なスタントマンから様々な武道スタイルを学んだり、元デルタフォースの人物が、アクションのアドバイスをになったたと言う。そして、ミランダを演じたアナ・デ・アルマスも軍隊的な訓練を受けての撮影だったということだ。ラスボスがまだ分からない所を見ると、シリーズ化することも十分期待できる。

bunmei21