「事前予習かパンフレット必須レベル。かなりの難易度。」金の糸 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
事前予習かパンフレット必須レベル。かなりの難易度。
今年79本目(合計352本目/今月(2022年3月度)21本目)。
大阪市では2週間遅れで個人的に公式サイトでは今週は本命枠に入れていました。
…が、かなり理解が難しい問題です。主人公といえるのは高齢者の方で、今のジョージア(グルジア)と、彼女・彼らが青春時代を暮らした時とでは国の体制自体が異なるからです。
このため、「金の糸」(日本の文化の一つ)も、映画内では2か所(実際に「日本からの文化」としての紹介と、「相互理解と修復」という観念で登場)だけで、ほかは何ら登場しないところです。
明確に政治思想としてあると思えるのは他の方も書かれている通りの「出したかった小説?を発禁処分にされた」という部分(日本では、表現の自由や検閲の禁止が該当)で、ほかはほとんど見当たらない状況です。実際、高齢者の方が主人公ですが、若い時は違う体制の中で生きてきたという事情もあるため、かなり共産主義的な発言が多く、完全に理解しきるのは、もう相当、ジョージア(グルジア)の歴史などに精通していないと無理ではないか…と思います。
さらに環をかけて混乱させるのが登場人物の妙な多さで、「名前だけは登場するが、出てくるように思えない」人が相当います(リザ(リーザ)さん(おそらく女性?)など)。セリフ的に登場人物は多めのように見えますが、実は「セリフ内に言われるだけで出てこない人物」はかなりいます。
一般的に高校世界史では現代史になるようなこのこと(グルジア(ジョージア)とロシアの関係)は扱わず、一般知識扱いになるかと思いますが、相当な知識がないと厳しいです(何を言わんとするのかわからない点が多数登場する上に、辛うじてわかる主張点が小説?の発禁処分ということ)。
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▼ (減点0.8)
かなりの部分、やはり字幕がわからなかったり、何を意味するのか分かりづらい点がかなり多いです。「金の糸」も2回しか登場せず、大半が共産主義がどうだのテニスがどうだの(テニスはそこそこ出る)、そこに「名前だけ登場する人がセリフ内に登場する」ため、何が何か大混乱を招きます。
先週の「メモリア」等は、「セリフがなさすぎてどうにでも解釈できてしまう」というパターンでしたが、こちらは「セリフが多すぎ、かなりの前提知識を要求する」というタイプで、両極端です(大阪市では今、これを2つ同じ映画館でやっているのです)。
おそらくはパンフ購入前提か、数回観るのが前提かな…という気がしますが、1度目で見て復習して2回目見に行くかどうか…は微妙なところかなと思います(鑑賞代として。ただ、映画内では不快にするような発言・表現はないため、そこだけは救い)。
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