「狂」母性 よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
狂
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最後の2、3分まではとても面白く見れた。
同じ事件を別の人物の視点から描くのは邦画だと「ミセスノイズィ」や洋画だと「最後の決闘裁判」なんかでも使用された表現方法だが飽きることがない。
殊に今回は戸田恵梨香さんというスーパー演技派の女優さんがいらっしゃることでよりその変化が際立つ。
特に目が素晴らしい。
母を見る目と母以外を見る目の落差にはゾクっとする。
母も娘も母から受けた仕打ちは真反対なのに母に執着する。
永野芽郁さん演じる清佳だって母から愛されようと「手が気持ち悪い」と言われれば執拗に手を洗う。
最後居酒屋でも念入りに手を洗って出てきたところからもまだ母に対する執着があるのかもしれない。
そんなふうに想像できる描写があったのに、ラスト清佳に「私はどっちかな」なんて言わせるのは途端に作品がチープになる気がして少し残念だった。
永野芽郁さんは高校生と妊娠した母の姿を的確に演じ分けていて今作でも安定の演技力。
清佳が父と父の浮気相手に対して正論をぶつけるところはスカッとした。
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