劇場公開日 2022年5月20日

  • 予告編を見る

大河への道のレビュー・感想・評価

全226件中、1~20件目を表示

4.5姿なき「ちゅうけいさん」がくれるパワーと希望

2022年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 一人二役で江戸時代と現代……下手すると安っぽくなるのでは?マツケン見たいから行くけど……

 アホな先入観を持ってごめんなさい。素晴らしい映画でした。
 長引くコロナや戦争のニュース、そして5月が重なってうつむきがちになった私の心を、落語らしいユーモアと物語の清々しさがぐいっと引き上げてくれた。

 序盤はしばらく尺を取って、現代パートの舞台、香取市役所での一幕が描かれる。総務課主任の池本が脚本家の加藤を記念館に連れて行き、伊能の功績を説明する。ここで、伊能についてぼんやり地味な知識しかない私のような観客も、言葉と記念館のビジュアルで基礎知識を得ることが出来る。(記念館以外にも九十九里浜など千葉の景勝地や佐原の美しい街並み、チーバくんも登場しまるで千葉の観光PR動画のようだ)
 後日、伊能のことをより詳しく調べた加藤が告げた衝撃の事実、その内容はという流れで、時代劇パートに入る。
 磐石のキャスティングで、演技面は何の不安もない。中井貴一の喜劇俳優ぶりには磨きがかかっているし、賑やかしのバイプレイヤーに徹するマツケンがとても新鮮だ。平田満に橋爪功に岸井ゆきの、面子の安心感と微笑ましいやり取りに癒されてこちらも笑顔になった。
 現代パートと同じ顔ぶれで繰り広げる時代劇パートは、喜劇調のユルさがあるとはいえ、一部でも演技があやふやだったら学芸会っぽくなりそうなもの。でももう皆さんさすが、演じ分けてます。見る側も、すんなり江戸時代に入っていける。
 そして、脚本家加藤と一緒に知識として聞いた当時の測量や地図制作を、今度は現場で目の当たりにする。歩幅で測る現地測量、手書きでの計算と記録の工程。あんな気の遠くなるような作業を伊能が生前55歳で始めて17年、弟子たちが引き継いで3年。
 本作には生前の伊能は一切出てこない。だが、自分たちの命を賭して(伊能が亡くなったことを幕府に伝えれば地図制作は頓挫、死亡を秘匿していることが明らかになれば死罪)日本地図完成へと邁進する弟子や家族の姿から、彼らにそこまでさせる在りし日の伊能の情熱がはっきりと伝わってくる。そこかしこに散りばめられた落語らしいユーモアでほぐされた心に、執念の偉業と弟子たちの忠義が沁みた。
 北川景子は「あの」役も自ら演じたのだろうか?わざわざ代役立てる意味もなさそうだし。なかなかやるなあ、好きになった。
 ラストは落語のオチらしく落としてあり、伊能イズムが現代に息づいた瞬間でもあって、とても爽快だった。

 年齢を重ね、人生の方向性があらかた見えてくると、ともすれば減ってゆく残り時間に心が折れ、新しい目標を探しそこを目指す気力を失いがちだ。
 選択肢や手段の多い現代でさえそうなのに、理由なしには国内移動さえ自由でない江戸時代に生きたこの学者の、壮年を過ぎてなお衰えないエネルギーはどうだろう。それは立川志の輔を動かして創作落語を作らせ、中井貴一はその落語に感動して、渋る志の輔師匠に映画化を直談判し、企画に名を連ねた。(この辺が、作中で脚本家宅に日参する池本の姿にオーバーラップするのも面白い。)一人二役というキャスティングには、時代が違っても人間はそんなに変わらない、現代で偉人と言われる人々も、当時はただその時代を必死に生きていただけというメッセージをこめたとのこと。
 いつの時代も、どこにいても何歳でも、新しく日々何かを積み重ねることは例え小さくても尊いものであり、そこから可能性の扉は開かれる。志の輔師匠が感じた鳥肌モノのちゅうけいさんのパワーと希望を、私もこの映画から受け取った。

コメントする (0件)
共感した! 27件)
ニコ

4.0歴史の興味深さは嘘があることかもしれない

2022年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

これはいろんな視点で興味深い作品だった。1つ目は大河ドラマの地方への経済効果をめぐる話であるということ。物語が町おこしのための有力なコンテンツになるという前提があって、はじめて生まれる物語だ。2つ目は、歴史に対する視座。後世に伝わっている話のすべてが真実ではない、むしろいろいろな脚色がなされて言い伝えられていることも多い。歴史とはある意味、創作された物語のようなものだという点で、ドラマみたいなものなのだ(だからドラマの題材になる)。3つ目は、モノづくりへの真摯な情熱。町おこしのために調べ始めた伊能忠敬のチームの地図作りへの情熱が時を超えて、一人の中年男性を動かしていく。
町おこしに利用しようと思っていた話に嘘があった、という点で「椿井文書」を思い出した。椿井文書は地域の価値を高めるために、偽の古文書を作ったとされるものだが、伊能忠敬が地図を完成させる前に死んだ話を伏せたまま大河ドラマを作れば、ある意味現代の椿井文書になったのだろう、しかし、人間はフェイクだろうがなんだろうが、そこに何らかの意味さえ見いだせれば特別視してしまうものだ。この映画の物語がそういう方向に行かなかったのはとても誠実だ。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
杉本穂高

3.5打てば響くようなキャストの結束力に魅了された

2022年5月29日
PCから投稿

時代劇と現代劇の両方を兼ね備えた異色ともいえる作品だ。一歩間違えると分かりにくくなったり、誰が何者なのか混乱してきたりと、そんなリスクも少なからず存在したはずだが、本作は物の見事に落とし穴をひょいとかわし、巧みなストーリーテリングで時代を行き来する。そうやって大立ち回りの語りや構造を展開させつつも、作品内に漂うどこか涼しげで飄々とした空気感が労力をみじんも感じさせない。もちろん根幹には伊能忠敬とその弟子たちの偉業があり、伊能の死後3年間という謎の空白時間を創作落語へと練り上げた立川志の輔の異才がありつつ、さらには二つの時間軸と一人二役を齟齬なく成立させた中井を座長とするキャスト一座の打てば響くような結束力があったことは明らかだ。そしてやはり本作に触れると、最終的に日本地図そのものの面白さ、興味深さへ引き込まれずにいられない。もしこんな大河ドラマがあったら観てみたいと本気で感じる自分がいた。

コメントする (0件)
共感した! 19件)
牛津厚信

3.5キャスト全員が1人2役を熱演した、意義深い時代劇と現代劇の交錯

2022年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

立川志の輔氏の創作落語を中井貴一たっての願いで映画化した「大河への道」は、時代劇と現代劇が交錯しており、それをキャスト全員が1人2役で演じ切るという意欲作。当然ながら、新作落語にある“余白”を埋め尽くし、映画として成立させるための労を惜しまぬ姿勢も確認することができる。それにしても、やはり時代劇における中井の立ち居振る舞いは他の追随を許すことがなく、ただただ美しい。

コメントする (0件)
共感した! 42件)
大塚史貴

2.0配役脚本どちらももったいない

2025年6月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

北川景子、岸井ゆきの、松山ケンイチの演技が
下手すぎるうるさすぎる…
現代劇であれば目を瞑れるような演技でも
時代劇ではかなり目に障る
松山ケンイチは敢えて振り切って
ああした演技をするのをちょこちょこ見るけど、
そのキャラ良いよね!と思えたことがほぼない
岸井ゆきのもやろうと思えば
もっと上手に演じられそうと思うけど、
キンキンしてたな…
北川景子は全力でやってあれだから酷い
感情を露わにしたり、振り切れてる演技は
演技の上手い人でないと見ていて疲れる

NHKの歴史教養番組を目標に
バラエティ班が再現ドラマに力を入れて作った
特番みたいな出来だった
コメディへの振り切りも弱いし
歴史ものとして厳かさや重厚感も弱い
ストーリーは良かったと思うんだけどなあ
江戸時代パートがもっとしっかり作り込まれていて
役者さんたちが本気の演技をしていたら
評価はもっと良くなったと思う
あまりにラフすぎてゆるっとしてた

もっと面白く良い作品になれる要素が
たくさんあったように思えてもったいなく感じた

コメントする (0件)
共感した! 0件)
にあ

3.5忠敬リスペクトを感じるコメディ

2025年5月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

観始めてすぐに、伊能忠敬は地図の完成前に死んでるから大河は無理だろうという話を妻としていた。その後完成させた人がそれなりに名が知られてれば違うだろうけどと。
するとやはり本作の中でもそんな話になった。

逆に考えると、伊能忠敬を主人公とした作品は作れないけれど、伊能忠敬を主人公とした作品は作れないことを作品にすることはできるというわけだ。
中々うまくやるものだと感心してしまう。

この作品に伊能忠敬はチラリとも出てこない。冒頭にいきなり亡くなっていて、回想などもない。それなのに伊能忠敬に対するリスペクトを感じてしまうところもいい。
もちろん、忠敬の意思を継いで地図を完成させた人々のドラマではあるのだけれど、伊能忠敬が地図を作ったと思える。

特別に面白いとまではいかなくとも、完成した巨大な地図は妙に感じ入るものがあるし、悪くないコメディ作品だった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
つとみ

5.0伊能忠敬を大河ドラマのモデルにしてもらう

2025年3月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

伊能忠敬、地元では「ちゅうけいさん」と呼ばれ親しまれている。
「大日本沿海輿地全図」実測地図を作成。
市長の指示で、大河ドラマのモデルとしての制作を、市長在任中に実現することとなる。

現代の出演者が、過去の時代劇に出演して、物語が進む、面白い演出。

役者の皆さんが、本当に面白い。

見応えのある面白い映画でした。

原作は、立川志の輔さんの創作落語
「伊能忠敬物語-大河への道-」
こちらも面白そう。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
naomi

3.5メイドへの道

2025年3月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

 三角関数がわからなければ出来ないのかぁ・・・無理だぁ。現代では航空写真、ドローン、そしてGPS。そのGPSだってアインシュタインの相対性理論を使わなければ狂ってくる。頭のいい人がいなければ作れないんだね・・・

 この前見た『八犬伝』よりは面白い。たばかり上手の北川景子や間の抜けた松山ケンイチがいい味だしてたし、現代と江戸時代での公務員の意気込みなんてのも考えさせられた。伊能忠敬って尊敬されてたんですね、きっと。

 でも本当に伝えたかったのは“名もなき人たち”の功績。偉業は偉業だけど、下支えする人たちがいなければ成し得なかった史実。さて、大河ドラマというものの存在意義さえ考えさせられる結果となった。

コメントする 1件)
共感した! 29件)
kossy

0.5かなり退屈な創作ドラマに感じた!!

2025年3月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
𝖒𝖚𝖓𝖆𝖈𝖞

3.0ストーリーは良かった

2025年3月9日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
asa89

3.5重妄想⁉️

2025年1月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

 『非公認戦隊アキバレンジャー』(2012年TV放映)のアキバレッドこと赤木信夫を演じた和田正人さんが出演しています。

 今作は、現代パートが面白かったです。200年前は妄想世界で、現代パートの登場人物が皆で一緒に「重妄想」(『非公認戦隊アキバレンジャー』に登場する造語で、一人でするのがただの妄想、複数人で同時に同じことを妄想するのが重妄想と言います。)をしたのでしょう。
 歴史は浪漫です。もっと200年前の映像にチカラを入れて欲しかったです。つまらなくて眠くなりました。どうせ妄想ファンタジーなんですから、端折らずに、おもいっきりCGで日本中を大冒険(飛行船を使ったり、時には船を使ってみたり、瞬間移動の魔法を使ったり)したら良かったと思います。
 玉置浩二さんのエンディングテーマと、松山ケンイチさんと中井貴一さんが演じたキャラクターがステキでした。
 込められたメッセージも良かったです。

コメントする (0件)
共感した! 23件)
Don-chan

3.0高橋景保

2025年1月1日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
みる

3.0歴史的偉業

2024年12月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

日本地図ができる課程と完成するまでに伊能忠敬は亡くなっていたという事実は初めてしれた点はとても興味深い話でした。
実際、到底1人では実現するできない偉業ですし、確か世界一周をしたというマゼランも途中で死んでいるので、途中で亡くなったことは見ていてさほど重要じゃない気はしました。
ストーリーは、現代パートと江戸パートを行き来しながら進みますが、現在パートが長すぎるのではないかと感じました。
歴史的事実をしれた点意外は、ストーリーも波がなく平凡なので面白みはあまりなかったのが残念でした。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
たけお

2.0俳優陣の力

2024年10月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

中井貴一はじめとした役者陣が良かったから見れたものの、退屈であることは否めなかった。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
カメレオン

0.5香取市は産業復興したのだろうか?

2024年10月21日
スマートフォンから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 3件)
マサシ

4.5おもしろい! 最後は少し泣けた。 地図作りに関わったみなさんを尊敬...

2024年9月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

おもしろい!

最後は少し泣けた。

地図作りに関わったみなさんを尊敬。
こんなに正確なことに改めて驚いた。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ティム2

4.0笑いありあり、ちょっと泣ける

2024年9月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

地味な始まりで止めようかな?と思いましたが、さすがのキャストとストーリーで大満足!
中井貴一さんの真面目さの中に差し込まれるちょっとした笑いが好きです。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
気ままなおさる

4.0楽しい映画です。

2024年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
Usako

3.0実力派豪華キャスト

2024年6月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

安定の実力派俳優に、心地よく見進めていくのだがストーリーとしてはどこに向かっているのかがわかりにくかった。伊能忠敬の想いを繋いだチームの素晴らしさを描きたいのか、はたまた現代の中井貴一率いる大河実現への諦めない気持ちなのか。伊能忠敬なので、旅や地図などロードムービー的に描かれるのかといえばそこまで深くもなく、焦点が合わずエンディングを迎えてしまった感があった。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
Raita Maipen

5.0面白い

2024年6月9日
iPhoneアプリから投稿

こんな歴史の映画があってもいいです。
出演してる方が全て素晴らしく面白かった!

コメントする (0件)
共感した! 1件)
こここ