「荒海もいずれ凪るのですね、瀬戸は日暮れて~♪、夕波、小波~♪」凪の島 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
荒海もいずれ凪るのですね、瀬戸は日暮れて~♪、夕波、小波~♪
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子供が主人公で瀬戸内海の孤島のお話だろう、子供が辛そうな目にあったら嫌だなと半ば警戒心を持ちながら観始めました。最初のあたりは不気味な嶋田久作さんが出てくるし凪はDVの父親のトラウマを抱えて過呼吸症、やっぱりかと思いましたが、出てくる人はそれなりに悩みを抱えているものの基本、善人ばかりなので段々馴染んでいけました。
負うた子に教わるではありませんが、凪の父が医者のくせに優柔不断、凪は見事に背中を押していましたね、おばあちゃんは島で唯一のお医者さん、まさにドクター・コトーですね、結婚式で花嫁の学校の先生が「瀬戸の花嫁」を歌いだしたのには爆笑、ここまでべたな仕掛けが出来る長澤雅彦監督に脱帽です。
長澤監督は秋田出身ですが映画製作の傍ら2010年から山口の徳山大学(現・周南公立大学)経済学部教授に着任と二刀流、監督は舞台になった笠戸島で廃校になった学校のグランドを借りて野外映画祭を開いたそうで、その時になにかスピリチュアルなものを感じ、いつか島の映画を撮りたいなと思ったそうです。その後、東京の上映会に来られていた山口のケーブルテレビKビジョンの社長から25周年記念映画製作の依頼があって快諾、奮起したそうです。
長澤さんは以前、岩井俊二監督と仕事をし影響をうけたようですね、そういえばどこか岩井さん風の撮り方、映像美を感じました。風光明媚な舞台といい、子役を含め役者さんたちの演技、演出も素晴らしい、べたとは言いながらハッピーエンドのストーリー、まさにご当地映画のお手本のような感動作でした。ただ、トム・クルーズじゃあるまいにスタントなしで子供を海に飛び込ませるシーンは必要だったのでしょうかね・・・。
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