劇場公開日 2022年8月19日

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「多少眼をつぶるべき点はあっても良作。」凪の島 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0多少眼をつぶるべき点はあっても良作。

2022年8月19日
PCから投稿

今年245本目(合計521本目/今月(2022年8月度)21本目)。

山口県の下松(くだまつ)市にある、ある島を舞台とする、そこに「とある理由」で引っ越してきた子の成長を描くヒューマンストーリーです。

もともと、Kビジョン(下松市と光市にケーブルテレビサービスを配給している会社)が後援しており、その事情から、行政である下松市をはじめ、映画内で出てくる周南市、柳井市など、結構な公式の行政のサイトが推している映画でもあります。

その事情もあるので、いわゆる「地元枠」(私は18までは広島市にいたので、お隣下松市のことはある程度わかります)でないと、「地理がわかりにくい」(明確に混乱させるようなセリフもあります。後述)、「方言(山口方言)が聞き取りづらい」などの点はどうしても出てしまいます。

この「ある島」(架空の島のようですが、ターゲットとなった島は明確に存在するようです。下松市のサイトなど参照)に引っ越してきた、主人公「凪」がなぜここにきたのか、そして彼女が時々「体調を崩す」理由は何なのか…といったところに焦点があてられ、またこの子も含めての子供、大人(ネタバレ回避)の成長を描く映画です。

 ※ このため、「想定したであろう島」とは交通手段が違います(映画内ではもっぱら船)。

 いわゆる「あったかほのぼの枠」という観点ではおすすめ以上ですが、山口県の地理・方言などにある程度通じていないと理解はしにくいかな…という印象は確かにあります。かつ、パンフレットが存在しない(「売り切れ」ではなく「存在しない」が正しい)ため、事実上、そこそこ「リアル知識」が要求されそうです。具体的にはこれらの地理(少なくとも明示的に地名が出る「下松市」「周南市」「柳井(やない)市」「山口市」の位置関係程度は知っておかないと詰まります。

 ※ 私自身は、下松市・周南市(昔は、徳山市と呼ばれていました)に旅行した経験、もう一つは、山口市への旅行(レノファ山口 vs 大分トリニータ(大分アウェイの試合))がある程度です。

 個人的には「内容が少し踏み込みすぎて、事実上ご当地枠映画になってしまっている」という部分は強く感じた(かつ、パンフもないのも痛い…)ものの、映画の趣旨としては十分理解できるし、若干法律的に怪しい(親族相続の親族の部分。ラストのネタバレになるので減点除外)点はあるものと思いましたが、全体として大きな傷はないものと思うのでフルスコアにしています。

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 (▼ わかりにくいシーンなど)
 「movix周南にドラえもんを見に行く」 → 映画内でこのストーリーの舞台が下松市のある島であることはそうそう明示されます。このmovix周南は映画館であり、「ゆめタウン下松」(以前は、ザ・モール周南、と呼ばれていた)の中にある「下松市の」映画館です。大半の方はここがわかりにくいのでは…と思えます(映画内では「周南市」は出ないが、ボランティアスタッフさんも出たのか、「協力:周南市」とは出ます)。

 (下松駅で、新幹線の各車両の模型などが展示されているところ) 下松市には日立製作所の笠戸事業所があり、ここで大半が作られています(下松市はこの意味で、お隣周南市と同じように、工業を一つの産業にしています)。

 「山口市の学会に参加する」 → 最短ルートは、下松市のある島(この映画に登場する架空の島)→フェリー→下松駅→(2駅)→徳山駅→(乗り換え/新幹線)→新山口(こだまと、一部のひかりが停車)→山口 です(学会が県庁近くであると仮定して)。
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yukispica