「納得としんどさ」仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル ななぱさんの映画レビュー(感想・評価)
納得としんどさ
オーズはどのキャラクターも魅力的だし私は伊達さん後藤ちゃん大好きなので2人をもっと見たかったのが正直なところ
1時間弱は短すぎるが無駄を削るどころか本来あって然るべきところまで削ぎ落とした結果、アンクと映司の2人の再開と別れの話として洗練されたと思う
TV本編とは逆であることがとにかく目につく
時間の割に本編映像多用してたし意識してるんだろう
映司中心だった物語はアンク中心になり
本編であった展開は立ち位置が変わって繰り返され最終回のシーンまで逆転する
アンク復活を求めた映司が映司復活を求めるアンクへと変わり
アンクの手をつかもうとした映司とは逆に映司がアンクを突き飛ばし
しまいには本編や後の映画にあったいつかの明日への希望すら逆転させてしまう
この逆の展開めちゃくちゃだとならず本編でこうだったんだからこんな展開も有り得るよなと納得しかない
そしてアンクは復活したが映司は復活しない
映司は人間で命あるものだから
でもそれってただのメダルの塊が死ぬところまで来たと喜んだアンクは蘇ったことで手に入れた命は否定されるんじゃないか
そもそも壊れたから直そうはわかるが死んだから生き返らそうとはならんわけで
映司ってナチュラルにアンクをメダルであって命あるものではないと認識しているからこそ復活できるかもしれないと思うんじゃないか
自身の欲望のためにアンクの欲望を否定する事に疑問も思わないのか
と今回の完結編であんなに涙した本編最終回の展開に今更疑問を持ってしまった
やだ気持ち悪くなってきた
それでもアンクはきっとこのあと比奈ちゃんから30年後に時空をこえて自身の復活の希望を与えることを聞いて映司との短い再開を待ち望むのだろうなとかまで考えてしまいしんどい
視聴前は映司くんが頑張ってなんやかんやあって「おかえりアンク」で終わる程度のヌルいハッピーエンドだと思っていた
ハッピーエンドだけが終わりじゃないのもわかっている
客層もほとんど大きなお友達でお子様は少なかった
きっと視聴者も10年たって苦味もわかってくれると認識した上でこの展開なんだろう
視聴して考えれば考えるほどしんどくなっているがその分納得はあるので否定はできない
ゲロ甘のパフェを期待しておまかせを頼んだら苦みの効いた絶品コーヒーを出された感というか
期待していたのと違うと怒り狂う人もいるのもわかるがちゃんと完結編としてオーズを終わらせにきた覚悟あるものを制作したスタッフの皆様にはすみません正直ナメてましたという思い