「客の許可は?」セールスマン(1969) t2law0131さんの映画レビュー(感想・評価)
客の許可は?
ダイレクトシネマ手法のドキュメンタリー。近日公開の『浦安魚市場のこと』でも効果的に使われていたが、余計な情緒的な演出がかまされたナレーションなど入れずに、現場音のみにて構成編集されたものだ。ここに取材されているのは、アメリカ中西部を拠点とする、高級感あふれる聖書出版社のセールスマン。思い返せばテータム・オニールがアカデミー賞を獲った『ペーパームーン』(1973年 ピーター・ボグダノヴィッチ監督)は、ライアン・オニールが「夫が生前に、愛する妻に贈る手配をしていた、彼女の名前入りの聖書を未亡人に売りつける」という詐欺ビジネスで渡り歩くロードムービーだった。聖書のセールスマンというものが、日常的に玄関をノックするというアメリカゆえに、このドキュメンタリーが存在したのだろう。
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