「アインクラッド第5層の話」劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 冥(くら)き夕闇のスケルツォ Valizさんの映画レビュー(感想・評価)
アインクラッド第5層の話
今作はSAO映画、星なき夜のアリアの続きの話です。
ソードアートオンラインという作品を知らない場合、今作だけだと意味が分からない事はあるでしょう。
星なき夜のアリアか、TVアニメ版のソードアートオンライン1作目の第1、2話のどちらかを観ておくと映画にそのまま入れます。
今作はアインクラッド全100層の4層ラスト+5層の内容でした。
まず、冒頭で4層のフロアボスが出てきます。
名前は「Wythege the Hippocampus」(ウィスゲー・ザ・ヒッポカンプ)。
ここが大迫力なバトルシーンで、映画ならではでした。
その後、5層の遺跡フロアの話でした。
ソードアートオンラインの世界では、キリト、ミトらなどの一部のプレイヤーらがβ(ベータ)テストをやっていました。
その時に何層までかは分かりませんが、6~10層ぐらいまでは攻略できていたようです。
だから、ボスの容姿や弱点、フロアの特徴を知っています。
少し2週目のようなものです。
それでセリフとして、予習、というワードが出てきたりします。
ただ、ボス戦ではβテストと少し違うことが多いようです。
キャラクターのレベルは今作でも表記されていました。
レベル17ぐらいでした。
最初はレベル1で、1層でレベルがいくつか上がっていたようなので、5層までレベルが上がっていたことが分かりました。
前作の星なき夜のアリア、では1層が描かれ、今作では4層ラスト+5層が描かれています。
だから、2層~4層までは映像化されていないようです。
今作で2022年12月28日が描かれていて、前作では11月ぐらいだったので、1か月以上経過していたようです。
だから、星なき夜のアリアから時間が経過していて、その分、アスナ、ミトらの性格や態度、強さが変化していたことを映像化に辺り、しっかりと反映できていたのは良かったと思います。
結城明日奈というと、レイピアが定番の武器ですが、最初に剣を装備していた気がします。
何か心境に変化があったのかな?と思いました。
星なき夜のアリア同様、内容はシリアスな内容で、登場人物らの真剣さが今作でも表現できた点は良かったです。
5層のボスは「Fuscus the Vacnt Colossus」(フスクス・ザ・ヴェイカントコロッサス)。
手強く、バトルシーンは長く、良かったです。
前作の星なき夜のアリアの続きなので、そちらを先に1度視聴してから、今作の映画を観に行くと良いと思います。
TV版SAOよりもどちらもバトルシーンの迫力がパワーアップしていました。
キリト、アスナ、ミトらの当時の心境が今作で分かりました。
ミトが武器ではなく、防具、と言っていました。
この事から、ソードアートオンラインの世界では、防具がかなり重要なのかな?と思いました。
ミトはβテスターだったからか、まだ強かった。
しかし、最前線からは離れると決意していたようだ。
ここは過去の影響があったのかもしれない。
下層にいるプレイヤーらの底上げをしたかったようです。
もっと多くの高レベルプレイヤーらが必要だと判断したのでしょう。
5層ボスに対し、人数が少ないと思いましたが、補充されていました。
それでもいきなりだったので、準備不足、というのはかなりあったと思います。
SAO TV版ではこの先の話が描かれています。
最前線のメンバーが変わっていました。
今までのSAO TV版からすると、ボス戦が特徴的でした。
ボスの弱点、というものが5層はかなり独特でした。
その意味からすると、強いボスだったのでしょう。
5層のボスのレアドロップ品がかなりレア品だったのは、ゲームを作った人が5、という数字に特徴があると考えたからでしょう。
1、2、3、4、5で、5番目だったから。
ここからすると、アインクラッド10層、15層、20層、25層、30層、と、5の倍数ずつで強いボス+レアドロップ品が配置されているのでは?と思いました。
本来、これらからすれば、相当入念な準備がボス戦に必要だったと言えるでしょう。
ボス部屋で転移結晶が出なかった。まだ入手できていないのでしょう。
ボスのトドメで、ラストアタック、という言葉が出てきました。
これはTVシリーズでも出ていなかった気がします。
アスナらの話からすると、ラストアタックをGETできるのは1名だけで、GETできると何か得するようです。
アスナとアルゴのお風呂シーンがありました。
この2人のシーンは今作の見どころです。
アルゴはTV版でも映画版でも殆ど出てきていなかったが、今作で性格や考え方が分かって良かった。
TV版で、アスナのメインウェポンは、レイピアです。
だから、強いレイピアを失ったのは相当な心理だったと思えます。
前作映画のミトが苦労してGETできたレイピアは、第5層まで上がってもまだまだ強力な武器だった事が分かりました。
その意味では、前作の星なき夜のアリアでミトが強いレア武器のレイピアをGETして、アスナへ渡し、第1層のボスを撃破できましたが、今作の5層のボス戦でも、その強さを発揮できた、という流れは感慨深い。
攻撃力は、レベル+武器で決定されます。
上記の強いレアのレイピアなら、普通のレイピアよりも攻撃力が高く、強くなります。
しっかりと前作星なき夜のアリアの流れがつながっている点は評価できます。
この理由は原作ラノベ小説の完成度が高いから、というのはあるでしょう。
TV版ソードアートオンラインシリーズや、前作の映画 星なき夜のアリアを気に入った人達に特におすすめです。
また、バトルシーンも豊富なアニメ映画で、バトル好きな人にもいいです。
音楽は面白い感じがしました。映画ならではの音響効果がありました。
TV版では、キリトのレベルが今作の後、一気にアップしているので、この話で焦り、というのがかなりあったのかも知れません。
前作映画からすると、結城明日奈は今作で15歳、中学3年生でした。
高校受験直前の時期。
だから、できれば1月下旬までには、という思いが結城明日奈にあったでしょう。
そして、高校3年間。
これは当時のキリトにも同じ考えはあったと思います。
だから、進むペース、という話題があったと思います。
そして、その意味からすると、仲間割れをしている場合じゃない、ということで、今作のテーマの1つとなっていました。
一致団結していた方が進むペースは早くなるからです。