劇場公開日 2022年1月21日

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「不自由さ故に家族の関係が濃厚」コーダ あいのうた parsifal3745さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0不自由さ故に家族の関係が濃厚

2023年12月25日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

幸せ

 ジョニ・ミッチェルの名曲『青春の光と影』を家族が2階席で見守る中、手話を交えて歌うシーンが、とても良かった。歌は、思いを伝えたい人のために歌うのが一番。試験とかコンテストを超えた一回きりのすばらしさがそこにはある。本来の歌の姿なのではないか。
 前回は、終わりの30分位をみただけだったので、最初から見て、家族が置かれた立場、漁業の厳しさ、ろうあ者故に家族が結束しなければならないこと、それ故のしがらみ、不自由さなどが絡まって、健常者の家族の自由度とは大きく違っている。でも、考えようによっては、そのような障がいを皆で乗り越えようとするから、家族の物語が生じる。自由度が高く、何でも思いのままに選択できる場合は、家族がバラバラ、自分の好きな方ばかり向いていて、家族の物語は生じづらくなっているのではって思わされた。
 歌のレッスン、彼氏との心理描写は控え目で、家族との関係性、葛藤が中心に描かれた映画だった。きっと、ぶつかり合って、それでもお互いに思いやり、尊重し合える家族が一番なのだろう。

parsifal3745