「歌を感じるということ」コーダ あいのうた ABCDさんの映画レビュー(感想・評価)
歌を感じるということ
聾者の苦しみだけではなく、聾者を支える家族の苦悩を描いた物語。
親が子供の将来を心配すること、成功するか不安になることは、どんな親にも言えることで、聾者家族に限ったことではない。また、1人の大人として自立したい少女の気持ちもすごくわかる。そういう普遍的なところがすごく上手く描かれてた。
歌声は聞こえないかもしれないけど、歌を感じるというのは必ずしも耳だけで感じることではないのかもしれない。
演奏会のデュエットでは、耳で聞けない代わりに観客の目で感じる。女性が涙を流していることを知らせるために手話を使ってたけど、そこに字幕は無い。字幕がなくても私たちはそれが何を意味してるのか分かる。すごく印象的なシーンだった。
演奏会の後のシーンでは、トラックの荷台で父親に向けた歌。その想いはたとえ聞こえていなくても、たしかに届いていた。
最後の試験では、手話を交えて歌う。あの歌は決して審査員に向けてではなく、家族に向けての歌。
歌は誰かに向けて、想いをのせながら歌うということご大切だと気付かされた作品。
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