劇場公開日 2022年1月21日

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「このアカデミー賞作品を劇場で見なかったことを反省」コーダ あいのうた 錫龍さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0このアカデミー賞作品を劇場で見なかったことを反省

2022年10月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

朝早くから漁師の父と兄を手伝い、疲れて授業中に寝てしまう。教師に起こされ、急に目覚めたルビーはとっさに無意識に手話をする。彼女にとって手話は言語であることが窺えるシーンだ。
彼女は家族で唯一健聴であるため、家族と世間の媒介役となっており、常に家族の支えにならなければならない使命感と自分の時間、自由が奪われている苦悩とが入り混じる。
合唱の発表会、会場で見る家族は聞こえないがゆえの疎外感がつらい。完全無音のシーンは聾者の気持ちに近づくことができた。
耳が聞こえずとも、歌声を聴くかのように、娘の喉に触れながらその振動を歌として聴いている父のシーン、バークリー音楽院の入学審査で家族に向かって手話をして歌うシーンはとても泣ける。

父も母も兄も、全員本物の聾者。主演ルビー役のエミリア・ジョーンズはこの作品9か月前に手話を特訓したとか。すごい‼︎

鈴龍