劇場公開日 2022年1月21日

  • 予告編を見る

「心の障害をテーマにした映画作りは難しいが、身体の障害であれば精神は...」コーダ あいのうた かんりにんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0心の障害をテーマにした映画作りは難しいが、身体の障害であれば精神は...

2022年9月23日
PCから投稿

心の障害をテーマにした映画作りは難しいが、身体の障害であれば精神は健常だからまた違ったアプローチができる。これは4人のうち娘だけがろう者に生まれなかった家族の物語。街の人々は家族の存在は知っている前提で話は進む。障害を強調する描写はなく、でも当事者にしかわからない悩みを日常の映像で切り取っていく編集が上手い。そして健聴者の娘には「歌」の才能があった。ドラミ先生なら開始10分でエンディングまでお見通しの王道ストーリーながら、合唱部コンサートのエモ演出あたりからラスト30分は泣きっぱなし。映画はやっぱり演出なんだよな~。むしろこの演出でちゃんと泣ける自分がうれしかったまである。異例尽くしのアカデミー作品賞授賞も納得の秀作。

かんりにん