「とても後味がよい」コーダ あいのうた アモルフィさんの映画レビュー(感想・評価)
とても後味がよい
聾者の家族でただ一人の健常者の女子高生が自分の歌の才能を見出されて・・・という話。
だいたいこの手の天才現るみたいな話は天才っぷりを表現するのが難しいのだが、うまいことそこが気にならない構造をそれ以上に効果的にやっている。
ありがちな不幸な家族が社会の不理解や差別で苦労する話ではなく、逆に偽善的な説教臭い話でもない。
ただただ魅力的な家族の話。
苦労はたしかにあるのだが、とにかく明るくて前向き。
子供が2人しかいないのが不思議なくらいアレが好きな父親、若いころミスコンで優勝するぐらいの美貌の母親、兄貴らしいことしたいのだがどうしても妹に頼らざるをえないことを引け目に感じているイケメンの兄、3人とも聾者で一家は漁業で生計を立てている。
主人公である妹は朝3時に起きて父と兄を起こし(自分しか目覚まし時計で起きられないから)3人で漁にでてそのあと学校に行く。
漁に出た後、魚臭いまま学校にいっても軽く嫌味を言われるぐらいでいじめられてるわけでもない。
周りがいい人過ぎず悪い人過ぎないのがいい。
大団円というわけでもないのにとても後味がよい
楽しんでいきてこそです。
人物の心理描写がわかりやすく誰でも楽しめる作品ではないでしょうか。
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