「コーダ と 言われて どーだ?」コーダ あいのうた critique_0102さんの映画レビュー(感想・評価)
コーダ と 言われて どーだ?
今年のアカデミーの主演男優賞がウィル・スミスだとして、クリス・ロックを平手打ちした事件が作品賞だということはわかった。
それ以外に何があったのかと思っていたら、『コーダ あいのうた』この作品が巷を賑わしているということを聞いた。
これって、数年前の仏作品『エール』のパクリやん、という声が多いのに、ずいぶん話題になってるらしい。
トロイ・コッツァーのパパが「ええで!」とか、エミリア・ジョーンズの歌声は「やばいやん!」という声なんだけど、そーなんだろうか。
どうも、全体的に、なーーーーんかデジャブ感強いのは何故だろう?
そして「エモい感」がmaxにいけなかった原因はどこにあるのだろう?
ストーリーは極めて単純でわかりやすい。登場人物もそうだ。
ならば、それぞれのキャラをもっと際立たせるべきだったと思う。性的描写やセリフにばかり集中するのではなくてね。
ディスアビリティの家族をつということ、
被雇用的、経済的に格差社会の辛酸を舐めているということ、
それによる排外的傾向性(差別)、
これらがうまくハーモナイズされていなかったように思う。
唯一の見どころはルビーとマイルズのデュオのところ、そして無音のところなんだけど、「声聞けぬ者が聞き取ろうとする声」が果たして製作者の意図通りに伝わっていたのだろうか。確かに、それはこの後、バークリーのオーディションの伏線にはなってはいるのだが、演出的には弱い。
ルビーとマイルズのデュオが「飛び込み」のシーンに変に回収されてしまっている。これ必要かな?
必要だという前提で見てしまうと・・・・
なんか
オジさんは昔懐かしい"La Boum"を思い出してしまったやんか。
一緒に見に行ったあの子は、今何してるん?
そしてもう一回見に行ってSophie Marceauに狂ってしまった当時の友人は今どこに?
これもデジャブ?
当時の「サ店」の匂いとタバコの香りがしてきた・・・。懐かしい。
って、この映画は、その意味で、「作品賞」だったのか。
※ あいも変わらず邦訳はチンケ。要らぬ副題。