「誰も悪くないストーリー」コーダ あいのうた ターコイズさんの映画レビュー(感想・評価)
誰も悪くないストーリー
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外野からみれば、マサチューセッツの漁村に生きる彼らの世界は美しいと思ってしまう。
それは外野だからで、実際の彼らは、魚の臭いをまとっていたり、生活もぎりぎりで、余裕なんてとてもない。リアルは生々しいはずだ。
この家族だって、外からみれば、ただ温かいだけのストーリー。でもリアルはもっと生々しく、愛だけでは割り切れない現実がある。家族を愛していても、家族が困るとわかっていても、自分の才能をのばして違う環境で羽ばたきたいって望みは抱いたっていいはず。そして家族はそれを手放しで応援してやりたいけれど、現実は手放しとは言えない。
演奏会で歌がきこえないからと手話で会話する両親。その後で、彼らの世界を体感させられることで、彼らの感覚にちょっとだけ近寄れる、あくまでちょっとだけ。
よくある優しいストーリー。ちょっと切なく、ちょっと温かい。
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