劇場公開日 2022年1月21日

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「愛情あふれる聴覚障害の家族へ贈る、ルビーの歌に泣いたー!」コーダ あいのうた ぴーちぱいさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0愛情あふれる聴覚障害の家族へ贈る、ルビーの歌に泣いたー!

2022年4月4日
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鑑賞方法:映画館

思春期の女の子が家庭の事情で、夢を断念しようとするが、家族がその背中を押して、夢へ向かって歩き出す

…ここまでの話ならめずらしくはないが、この「家庭の事情」が、自分以外の家族全員が聴覚障害というところが全然違った

聴覚に障害を持ちながら、社会の中で生きていくことの厳しさ、困難さが作品の根底に流れる
が、暗さはない
ルビーの家族は明るく、たくましい

自分の家族が、奇異な目で差別的に見られることに、肩身の狭い気持ちだったルビー
でも、仲が良くてうらやましいという友達の言葉で気付く
障害の有無じゃない
本当の「家族」って、どれだけお互いを心から思いやり、大切にできるかなんだと…

自分の家族の素晴らしさに気付いたからこそ、ルビーは夢をあきらめて家族のために生きる決心をする
また、家族は、自分たちの生活に必要不可欠な存在であるにもかかわらず、ルビーの夢を応援する決心をする…

学校でのコンサートのシーンは秀逸だった
聴覚障害の人たちが生きる、音のない世界とはこんな感じなのか…と、衝撃的だった
そこで、家族は、聴衆の反応からルビーの歌の才能を信じる気持ちになる
どんなに、ルビーの歌を聞きたいことだろう

ルビーが家族のために自己犠牲的な人生を送ることなく、家族が自分たちの生活のためにルビーに依存し続けることもなく、お互いに自立を目指すラストシーンは気持ちよかった

ルビーのお兄ちゃんと音楽の先生もいい味出してました!
この二人のルビーに対する愛情も印象深かった

ぴーちぱい