劇場公開日 2022年1月21日

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「障害者の親や家族が健常者の子を抑圧するというストーリーの難しさ。そ...」コーダ あいのうた えみりさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0障害者の親や家族が健常者の子を抑圧するというストーリーの難しさ。そ...

2022年3月20日
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鑑賞方法:映画館

障害者の親や家族が健常者の子を抑圧するというストーリーの難しさ。それを扱った素晴らしさ。娘の葛藤も描かれていた。親からすれば子どもがむしろ聾唖者であってほしいと願うようなエゴ。母親はエゴ丸出し。コンサートでの両親の無関心さ。
素晴らしきは役者としても合唱部の先生。
うまく喋れなかったからこそ、歌が彼女にとっては重要で、感動的なのは試験で手話付きで歌う場面。それまでは、恥ずかしくて親の感情表現をちゃんと訳さなかった彼女が、歌に自分をぶつけるようになってから、交渉場面でその感情を伝える。
彼女の歌う喉に手を当てて父親が聞くシーンも感動する。
健常者と障害者のはざまにいる少女の苦悩をこんなに素晴らしく表現したものがあっただろうか。
歌超えも素晴らしかった。
障害者たからこその家族の結束の大きさも感じる。そこを離れて生きてこなかったとする彼女の言葉は重い。

えみり