「予定調和なら喜んで」コーダ あいのうた めめんと⭐︎もりさんの映画レビュー(感想・評価)
予定調和なら喜んで
予告編で流れてきた大好きなBoth sides nowを聴いた瞬間、あぁ…これ泣かせにきてるなとすぐに察知しつつ…わざわざ予定調和を確かめに足を運び、そして心から喜んでその意図に溺れさせていただきました。
音楽の感じ方って何通りもある。音声だけに依らない、ルビーの中に流れる音楽と、それを全霊で感じ取り、受けとめようとする家族の姿に胸がいっぱいになりました。
幸せは薄い花びらのようで、積み上げようとすると崩れたり、不意に風に煽られ飛んで行ったりする…ルビーが丁寧に重ねた花びらが、蕾の形になって優しく開く瞬間、彼女の家族になったような喜びを感じました。
Mr.Vから、歌っている時の感情を言語化するよう問われ、うまく説明できずに自然と手話が出てしまうルビー。そのシーンに、多分あえて字幕がついていないところが特に素敵でした。手話を知らなくてもルビーの思いが伝わってくる…
音楽の素晴らしさは普遍的で、言葉や音そのものをも超えていく…誰にも響く魔法みたいです。
何度でも繰り返し見たくなる大切な映画になりました。
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