「聞こえない耳に届く最高にイカした歌声が、今日、世界の色を塗り替える」コーダ あいのうた 23さんの映画レビュー(感想・評価)
聞こえない耳に届く最高にイカした歌声が、今日、世界の色を塗り替える
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聞こえない家族の「通訳係」だった少女。
家族に必要とされながらも、自分の夢を見つけるルビー。
家族の中でただ1人健聴者である主人公は、漁を手伝いながら学校へ通う生活。
漁の中歌うことはあれど、誰にも届くことはなかった。
有名音大への進学を目指し、本格的に歌を習い始めるも、港の新規事業にも必要とされ両立に苦しむ。
家族は事業には必要といいながら、娘の夢を応援するか悩む。
そこには、歌声を聞けないことからの不安や、互いに離れきれない不器用さがある。
そんななか開かれたコンサート、ルビーはデュエットを組み、歌声を披露する。
周りの観客が心打たれ聞き入る中、ふと父親の目線に立つと際立つ疎外感。
父はここで娘の世界に歩みを寄せる。
夜風にあたりながら、父娘で話し合う。
娘が歌っている様子を賢明に理解しようと、喉に触れ、見つめる。
翌日のオーディション、ここでルビーは初めて家族へ向けて歌を歌う。
音のある世界、音のない世界、ある種異なる世界で住む家族。
しかし実際には世界は一つであり、双方が歩み寄る姿は変え難く尊く映る。
健聴者と聾唖者のすれ違い、互いに理解しようとする姿勢が表現される。
字幕をあえて使用しなかったり、コンサート中に訪れる無音の時間は一気にスクリーンに引き込まれる。
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