劇場公開日 2022年1月21日

  • 予告編を見る

「何より、エミリア・ジョーンズ」コーダ あいのうた TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5何より、エミリア・ジョーンズ

2022年1月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

やはりオリジナルの『エール!』との比較からになりますが、ストーリーは大筋で同じであるものの、設定や細かい部分は『エール!』よりも現実感高く、観やすくなっています。
『エール!』は「超が付くほど強烈なキャラクターのママ」に対して、「どこまでも家族のために自己犠牲の選択を採る娘」に同情。そして最終局面における「オーディションでの直接的なメッセージとなる歌と演出」で一気に涙腺崩壊させられるという、かなり「力業」でもっていかれる映画でした。
それに比べると『コーダ』のママは全然マイルドだし、娘のルビーの主張も唐突さはないし、ちゃんと10代の若者らしく、112分はスムースで安心して観ていられます。
特に、『コーダ』の良さは何よりルビー演じるエミリア・ジョーンズの歌唱力ですね。『海賊じいちゃんの贈りもの(14)』や『ブリムストーン(16)』でも好演を見せてくれていましたが、大きくなり演技だけでなく、とても「いい声」をしていて、おじさん(私)はとても喜ばしく思いながら拝見しておりました(笑)。
そして劇中歌の楽曲もよく、特にオーディションでルビーが歌うジュディ・コリンズの『Both Sides Now(青春の光と影)』は私も大好きな歌なので感動もひとしおでした。勿論、サントラもすぐにダウンロードしたし。
まぁ、日本での「AppleTV+未配信」にはユーザーとして少々思うところありましたが、結果的にはやはり劇場で観て良かった作品だったと思います。

TWDera