「笑撃のラストをぜひ観て欲しい」もっと超越した所へ。 白身さんの映画レビュー(感想・評価)
笑撃のラストをぜひ観て欲しい
同タイトルの舞台を映画化したのがこの作品。クズ男に惚れてしまった4人の女の恋愛バトルストーリー。
とても面白かった。中だるみが全くなく、脚本、演出、キャスト、全てが秀逸。
4カップルが切り替わりながら展開されていく映画で、パンパン頻繁に切り替わりまくるが繋ぎ方がスムーズで上手くできてるので混乱しないし飽きない。
無駄なセリフがなく、言動1つ1つが後の展開の伏線になっていたりするから、2回観ても新しい楽しさや発見がある。ちなみに筆者は2回観た。
ラストは衝撃。いや、笑撃かも。
好みが別れる演出ではあるが、こういう映画もありなのかもしれないと思わされた。
物語のメインというか見どころのクズ男4人はよくもまあこんなにクズを集めたなと感心するほどにクズ揃い。
家に上がり込んだらソッコー女をベッドに押し倒し女をATM化させる束縛ヒモ男。
彼女よりも自分の心配ばかりをしてる無責任男。
モラハラ気質のプライド激高暴言男。
自覚がありながら人の気持ちを弄んでしまうゲイ。
しかしそんなクズ男達にも愛すべき部分はあり、そのクズ男に振り回される女も女でダメなところはある。
生きていて人間関係や仕事関係で妥協や挫折をしたことのある人ならば少なからず何かが刺さる映画だと思う。
反面、人生経験がそこまで無い中高生には「この映画なにが面白いの?」と感じるかもしれない。
この映画のキャスト一覧を見た時、前田敦子に菊池風磨に伊藤万理華に千葉雄大と若い子に好かれそうな人達の名前があったので「美女とイケメンがイチャイチャする映画かな」と思っていたのだがそれは勘違いだった。
舐めてかかると横っ面をぶっ叩かれることになる。
浮いているキャストは1人もおらず、キャスト全員に「こういう人いそう」を通り越して「こういう人知ってる」と既視感すら感じさせられた。
どんなクズ男が見れるのか興味本位で観に行くもよし、クズ男と女たちがどういう結末を迎えるのか見届けにいくのもよし、劇中で半分は裸だと思われる菊池風磨のイイ体を観に行くもよし、黒川芽以の母性を感じに行くもよし、千葉雄大のあざとさにあてられに行くもよし。
一つでも興味がわくポイントがあればぜひ観て欲しい映画だった。
そういえば、粒ぞろいのクズ男の中に浮気男が1人もいないのは、浮気は全てを無にするからお話にならないということなのだろうか?