劇場公開日 2024年3月15日

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「話が長い割にはスペクタクルな見せ場が今一つ」デューン 砂の惑星 PART2 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5話が長い割にはスペクタクルな見せ場が今一つ

2024年3月15日
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一作目よりも面白いという前評判だったのだが、やや期待はずれ。
確かに、大作としての風格と重厚さはたっぷりと味わえるものの、その分、話の冗長さとテンポの悪さが気になってしまった。
主人公は、多くの人々の命を奪うことになるという予知夢のために「救世主」となることを拒み続けるのだが、父親の仇を討つためにはフレメンと共に戦うしかないはずで、単に責任を回避したいだけなのではないかとイライラしてしまう。
敵側にしても、スパイスの採掘機や貯蔵庫を簡単に破壊されてしまったり、せっかくフレメンの根拠地を空爆しても、そのままあっさりと引き揚げて、彼らに避難する機会を与えてしまったりと、随分と間が抜けているように思える。そもそも、いくら砂嵐に隠されているとはいえ、衛星等を使った惑星規模の監視システムを持っているのに、どうして数千人規模の南のフレメンを探知できなかったのかが不思議である。
主人公が救世主として覚醒し、フレメンを率いて北の首都に攻め込むに至り、それまで平板だった物語がようやく盛り上がりを見せるのだが、サンドワームを使った突撃や大軍勢同士の激突といったスペクタクルの描写が、やけにあっさりとしているのは物足りない。まさに「待ってました!」という場面なのに、完全に肩透かしを食らってしまった。
クライマックスの、主人公と敵の次期男爵との一騎打ちは、たっぷりと描かれていて見応えがあるのだが、その一方で、ジョシュ・ブローリン演じるガーニイとデイブ・バウティスタ演じるラッバーンの因縁の対決は、もう少し見せ場を作れなかったものかと残念に思えた。
それから、オースティン・バトラーの次期男爵は、せっかく悪役としてのキャラが立っていたのに、今作限りで退場させてしまうのはもったいないようにも思う。
いずれにしても、主人公の妹が鍵を握ることになると思われる第3作には、上映時間の短縮とテンポの良い展開を期待するばかりである。

tomato
tomatoさんのコメント
2024年3月20日

監督が一番描きたかったのは、主人公と次期男爵の決闘だったのかもしれませんね。

tomato
大吉さんのコメント
2024年3月20日

せっかくの場面でカタルシスを感じることができませんでしたよね。

大吉